実家に帰ったとき、不在連絡票が何枚も置かれていた。親に聞くと「チャイムが鳴ったのに間に合わなかった」「再配達の頼み方がよく分からない」と言う。
こんなことが増えてきたら、少し気になりますよね。
通販で日用品を買うこと自体はできても、荷物を受け取る段階で困っている。親は「次に来たときに受け取ればいい」と言うかもしれませんが、何度も再配達になれば、本人も配達員も大変です。
だからといって、すぐに宅配ボックスを買えば解決するとは限りません。インターホンに気づかないのか、玄関まで移動するのが大変なのか、それとも再配達の手続きが難しいのか。まずは原因を分けて考えることが大切です。
今回は、親が荷物を受け取れなくなったときに、離れて暮らす家族ができる対策を紹介します。
親が荷物を受け取れないのは、なぜ?
インターホンが聞こえない、気づかない
テレビを見ていたり、別の部屋にいたりすると、チャイムが聞こえないことがあります。耳が聞こえにくくなっている場合も考えられます。
まずは、チャイムが鳴ったときに家の中のどこにいても気づけるか確認してみましょう。
インターホンの音量を調整できる機種なら、聞こえやすい音量に変更する方法があります。機種によっては、増設用のチャイムや光で知らせる機器を利用できる場合もあります。
ただし、親が機器を使いこなせるかどうかも大切です。機能が多い製品を選ぶより、今のインターホンを少し調整するだけで解決できないか、先に確認してみてください。
チャイムが鳴っても、玄関まで行くのに時間がかかる
チャイムは聞こえているのに、玄関に着いたときには配達員がいなくなっている。そんな場合は、足腰の衰えや、家の中の移動が負担になっている可能性があります。
この場合、音量を上げるだけでは解決しません。
親に「チャイムが鳴ってから玄関まで、間に合っている?」と聞いてみてください。玄関までの通路に物が多くて歩きにくい、立ち上がるのに時間がかかるなど、別の困りごとが見つかることもあります。
荷物を受け取るために急いで転倒してしまっては本末転倒です。無理に急がせず、受け取り方法そのものを変えることも考えましょう。
不在連絡票を見ても、再配達を頼めない
最近は、電話だけでなく、ウェブサイトやアプリから再配達を申し込めるサービスもあります。便利な一方で、スマートフォンの操作が苦手な親にとっては、手続きが負担になることがあります。
不在連絡票を見ても、どこに電話すればよいのか分からない。問い合わせ番号を入力するのが難しい。こうした場合は、親が普段使っている方法を確認してみましょう。
家族が手続きを手伝う場合は、配送会社や荷物の情報を確認し、本人の同意を得て進めます。家族が毎回対応するのが難しいなら、日時指定や受け取り場所の変更など、最初から再配達になりにくい方法を検討するのも一案です。
再配達を減らすために、家族ができる4つの対策
1.荷物が届く日を、親が把握できるようにする
親が通販を利用しているなら、まずは荷物がいつ届く予定なのか、本人が把握できているか確認します。
注文したことを忘れていたり、配達予定日を覚えていなかったりすると、受け取りの準備ができません。
家族が注文を手伝っている場合は、親に配達予定日を伝えておきましょう。スマートフォンの通知を使う方法もありますが、通知を見落とすことがあるなら、カレンダーに書いておくほうが分かりやすいかもしれません。
ただし、荷物が届く時間に合わせて、親にずっと玄関の近くで待ってもらう必要はありません。受け取りに無理があるなら、別の方法を考えます。
2.日時指定や受け取り場所の変更を利用する
宅配便では、配送会社や荷物の種類によって、受け取り日時の指定や変更、営業所や対応する宅配ロッカーでの受け取りなどを利用できる場合があります。
親が比較的元気な時間帯が分かっているなら、その時間に合わせて受け取りを設定する方法もあります。
ただし、荷物によっては日時や受け取り場所を変更できない場合があります。また、営業所やロッカーまで親が出向く方法は、移動が負担になる人には向きません。
「再配達を減らすこと」だけを目標にせず、親にとって無理なく受け取れる方法かどうかを優先しましょう。
3.宅配ボックスを設置する
荷物を直接受け取るのが負担なら、宅配ボックスも選択肢になります。
宅配ボックスは、対応する荷物を配達員に入れてもらい、親が都合のよいタイミングで取り出せる設備です。チャイムに気づいて玄関へ急ぐ必要が減るため、受け取りの負担を軽くできる可能性があります。
ただし、購入前に確認したいことがあります。
まず、親の住まいに設置できるかどうかです。戸建てなら置く場所や固定方法を確認し、集合住宅なら管理規約や共用部分の扱いを確認しましょう。
次に、親が荷物を取り出せるかどうかです。重い扉を開ける必要があるものや、暗証番号の操作が複雑なものは、使いにくいかもしれません。
さらに、宅配ボックスに入らない大きな荷物、冷蔵・冷凍品、本人確認が必要な荷物などは、受け取れない場合があります。宅配ボックスを設置すれば、すべての荷物が解決するわけではありません。
購入するなら、親が使いやすい構造か、荷物を取り出しやすい高さか、施錠や固定ができるかを確認して選びましょう。

4.置き配は、親の希望と防犯面を確認してから
玄関前などに荷物を置いてもらう「置き配」も、対面での受け取りが難しい場合に考えられる方法です。
ただし、親が一人で暮らしている場合、荷物を外に置いたままにすることへの不安もあるでしょう。盗難や誤配、雨による濡れなどのリスクもあります。
また、配達員を装った訪問者への警戒も必要です。警察庁は、宅配事業者と連携して非対面での受け取りを広げる取り組みを案内していますが、実際の受け取り方法は各事業者のルールに従う必要があります。
置き配を利用するなら、親が納得していることを確認し、どこに置いてもらうのか、荷物が届いたら誰が確認するのかを決めておきましょう。
高価な商品や大切な書類などは、置き配以外の受け取り方法を選んだほうがよい場合もあります。
親が荷物を受け取れないとき、家族が避けたいこと
ここで気をつけたいのが、親を責めないことです。
「何度も再配達になっているじゃない」「ちゃんとチャイムを聞いておいてよ」と言いたくなるかもしれません。でも、本人もわざと受け取っていないわけではないでしょう。
聞こえにくい、動くのに時間がかかる、手続きが難しい。そうした事情があるなら、注意するだけでは解決しません。
まずは「最近、荷物を受け取るのが大変になってきた?」と聞いてみてください。親が困っていることを話しやすい雰囲気をつくることが、対策を考える第一歩です。
また、家族が代わりに通販を注文する場合は、親が本当に必要としているものか、受け取り方法に無理がないかも確認しましょう。便利だからといって注文を増やすと、かえって受け取りの負担が増えてしまうこともあります。
荷物の受け取りが難しくなったら、暮らし全体も見直してみる
宅配便を受け取れないという困りごとは、小さなことに見えるかもしれません。
でも、チャイムに気づかない、玄関まで移動するのが大変、スマートフォンで手続きができない。こうした困りごとが重なっているなら、ほかの場面でも不便を感じている可能性があります。
例えば、買い物や通院、家事などでも、以前より時間がかかるようになっていないでしょうか。
一度にすべてを解決する必要はありません。まずは、親が何に困っているのかを聞き、できることから対策していけば大丈夫です。
荷物の受け取りなら、日時指定や受け取り方法の変更、宅配ボックスなど、いくつかの選択肢があります。親の体の状態や住まい、費用に合わせて、無理なく続けられる方法を選びましょう。
再配達が増えたことをきっかけに、親が安心して暮らせる方法を一緒に考えてみてください。



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