実家に電話すると「今日は寒くないよ」と言う。でも、実際に帰省してみると、部屋がひんやりしていて暖房もついていない。
「電気代がもったいないから」「厚着すれば大丈夫」。そんな理由で、寒くても暖房を使いたがらない親に、どう対応すればいいのでしょうか。
心配だからといって「ちゃんと暖房をつけて」と繰り返しても、本人が納得していなければ、結局使ってくれないことがあります。
大切なのは、暖房を使うよう説得することだけではありません。親が使いたがらない理由を確かめ、負担に感じにくい方法を一緒に探すことです。
この記事では、電気代を気にする親への伝え方から、実家の寒さを確認する方法、暖房以外にできる工夫まで紹介します。
親が暖房をつけないのは、電気代だけが理由とは限らない
親が暖房を使わない理由として、まず思い浮かぶのは電気代です。年金生活で支出を抑えたいと考えていれば、暖房を使うこと自体に抵抗があるのかもしれません。
ただ、理由はそれだけとは限りません。
例えば、エアコンの操作が面倒だったり、設定方法が分からなくなっていたりすることもあります。暖房をつけても足元が寒い、風が直接当たるのが嫌、乾燥するのが苦手という場合もあるでしょう。
本人が「寒くない」と言っていても、家族が実家を訪れたときに室温を確認してみることは大切です。高齢になると寒さの感じ方が変わることもあり、本人の感覚だけでは室内の環境を判断しにくい場合があります。
まずは「なんで暖房をつけないの?」と問い詰めるのではなく、「電気代が気になる? それともエアコンの風が苦手?」と聞いてみてください。理由が分かれば、対策も考えやすくなります。

「暖房をつけて」ではなく、電気代の不安を減らす
電気代を気にしている親に対して、「体のほうが大事だから」と言うだけでは、納得してもらえないことがあります。本人にとっては、毎月の支出を抑えることも大切だからです。
そこで、まずは暖房を使うことへの不安を小さくしてみましょう。
実家の室温を一緒に確認する
帰省したときは、室温計を使って部屋の温度を確認してみます。温度計があれば、親が「寒くない」と感じているときでも、室内の状態を家族と共有できます。
温度計は、文字が大きく、表示が見やすいものを選ぶと確認しやすくなります。時計や湿度計が一体になったタイプもありますが、まずは室温が分かるシンプルなものでも十分です。
室温だけで体調の安全が決まるわけではありませんが、家族が感覚だけで話し合うよりも、具体的な数字をもとに相談しやすくなります。
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エアコンの使い方を一緒に見直す
親がエアコンを使いたがらない場合は、操作方法が負担になっていないか確認します。
リモコンのボタンが多くて分かりにくいなら、普段使うボタンを一緒に確認し、必要な操作を紙に書いておく方法があります。タイマー機能を使いたい場合も、本人が無理なく操作できるか試してみましょう。
また、フィルターの汚れや風向きなど、使い心地が悪くなっている原因がないか確認するのも一つです。
ただし、設定温度を下げれば必ず電気代が安くなる、という単純な話ではありません。部屋の広さや断熱性、外気温、機種などによっても変わります。親の家に合った使い方を確認し、無理なく暖房を使えるようにすることが大切です。
暖房を嫌がる親には、ほかの方法も組み合わせる
エアコンを使うように伝えても、本人がどうしても嫌がる場合があります。そのときは、暖房を使うか使わないかの二択にせず、体を冷やしにくい環境を整える方法も考えましょう。
例えば、カーディガンやベスト、厚手の靴下など、着脱しやすい衣類を用意する方法があります。足元が冷えやすいなら、床に敷くマットやひざ掛けなども候補になります。
ただし、衣類を重ねるだけで十分とは限りません。部屋そのものが冷えている場合は、室内の暖かさを確保することも必要です。
電気毛布や小型ヒーターなどの暖房器具を検討する場合は、使い方や安全面にも注意してください。電気毛布は製品の説明書に従い、長時間の使用や高温設定を避けるなどの配慮が必要です。小型ヒーターも、転倒や周囲の物への引火、低温やけどなどのリスクを考えて選びましょう。
「エアコンを使わないなら、これを買えば解決」と決めつけるのではなく、親が実際に使えるか、安全に扱えるかを一緒に確認することが大切です。
離れて暮らしているなら、帰省しなくても確認できる仕組みをつくる
親が暖房を使っているかどうか、毎日実家へ行って確認するのは現実的ではありません。離れて暮らしている場合は、無理なく状況を確認できる方法を考えておきましょう。
例えば、寒い日には「今日は暖房を使っている?」と電話で確認するだけでも、会話のきっかけになります。ただし、毎回同じことを聞くと、親が監視されているように感じることもあるため、普段の会話の中で自然に確認するのがおすすめです。
室温計を設置して、親自身が数字を確認できるようにする方法もあります。スマートフォンで温度を確認できる機器もありますが、通信環境や設定が必要な製品もあるため、親が使いこなせるかを考えて選びましょう。
また、寒い時期に体調の変化が見られる、食事や水分が十分に取れていない、暖房の操作自体が難しくなっているなどの場合は、家族だけで抱え込まないことも大切です。必要に応じて、かかりつけ医や地域包括支援センターなどに相談し、生活全体を確認してもらうことも検討してください。
親が暖房をつけないときこそ、責めずに続けられる方法を探す
親が寒くても暖房をつけないと、子どもとしては心配になります。「何かあってからでは遅い」と思い、強く言いたくなることもあるでしょう。
それでも、親には親なりの考えや生活習慣があります。電気代を気にしているのか、暖房の風が苦手なのか、操作が難しくなっているのか。まずは理由を確かめることで、本人が受け入れやすい対策を考えられます。
室温計で部屋の状態を確認する、エアコンの操作を簡単にする、衣類や暖房器具を組み合わせる。できることから一つずつ試してみてください。
目指したいのは、親に言うことを聞いてもらうことではありません。親自身が納得して、寒い時期も無理なく過ごせる環境を整えることです。




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