都内冬ボーナス88万円で過去最高!潤う財布の陰で「格差の壁」が過去最大に?

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東京都の最新調査で、都内企業の冬のボーナス平均額が88万4985円と、2年連続で過去最高を更新したことが判明しました。前年比で約3.7%のプラスとなり、5年連続の増加です。数字だけを見れば「超景気が良い」東京の姿が浮かび上がりますが、その中身を紐解くと、手放しでは喜べない「労働市場の歪み」と、大手が触れない残酷な現実が見えてきます。



札束で引き留める「人材争奪戦」!「ボーナス」がもはや「防衛費」に?

なぜここまで金額が跳ね上がったのか。最大の理由は、景気拡大というよりも「深刻すぎる人手不足」です。

都内企業にとって、今は「利益が出たから配分する」という悠長なフェーズではなく、「ボーナスを積まなければ社員が他社に引き抜かれる」という防衛的な状況にあります。特にIT、DX関連や専門職の分野では、100万円超えの回答が相次ぎ、平均値を押し上げました。企業にとってボーナスは、もはや純粋な利益還元ではなく、人材流出を防ぐための「防衛コスト」と化しているのです。

「88万円」の嘘?大手と中小、正社員と非正規の「絶望的格差」!

ここで注意すべきは、この調査対象が「労働組合を持つ企業」が中心である点です。都内には組合すら持たない中小零細企業が数多あり、そこでは「ボーナスゼロ」や「据え置き」が珍しくありません。

  • 勝ち組: 100万円超えを連発し、インフレを軽々と超える可処分所得を得る層

  • 負け組: 物価高だけが直撃し、ボーナスの恩恵にあずかれない層

平均値の「88.4万円」という数字は、これら両極端な層を混ぜ合わせた結果であり、実際には「もらえる人はより多く、もらえない人はゼロに近い」という格差が、過去最大級に広がっているのが2025年冬のリアルな姿です。

ボーナスアップでも「生活が楽にならない」インフレの呪縛!

3.72%のアップという数字は一見大きく見えますが、現在の物価上昇率を考慮すると、実質的な「豊かさ」の向上はわずかです。

電気代、ガス代、そして食品価格の止まらない高騰により、増えた数万円のボーナスはそのまま生活費の補填に消えてしまいます。大手のニュースでは「過去最高」という景気の良い見出しが躍りますが、街角の消費者の実感としては「増えた実感がない」「将来が不安で結局貯金に回す」という冷ややかな反応が大半を占めています。

「東京一人勝ち」が招く地方のさらなる衰退!

都内のボーナスが突出して高くなることは、地方からのさらなる人口流入を加速させます。「東京に行けば88万円もらえる」というイメージが定着すれば、地方の若者はますます流出し、地域経済の崩壊に拍車がかかります。

東京の企業が札束で人材を囲い込む一方で、地方の中小企業は対抗する手段を持たず、格差はもはや「個人の年収」を超えて「地域間の生存格差」へと変質しています。この88万円という数字は、日本の構造的な病理を象徴する「歪んだトロフィー」なのかもしれません。

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