日本発・マインドスポーツはどこまで“スポーツ”になるのか
「ポーカーは運のゲーム」──。
そう思っている人は、いまも少なくないかもしれません。しかし、世界の舞台で2年連続優勝という結果を残した日本人女性の存在が、そのイメージを大きく塗り替えつつあります。
米ラスベガスで開催されたポーカー世界選手権「WSOP(ワールドシリーズ・オブ・ポーカー)」のレディーストーナメントで、岡本詩菜さんが前人未到の2連覇を達成しました。世界中のトッププレーヤーが集う大会で、同一カテゴリーの連覇は極めて異例です。
勝敗を分けたのは「手札」ではなく「心」
岡本さんが語る勝因は、意外にも派手な戦術ではありません。
重要だったのは、
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感情の波を抑えること
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勝っても負けても判断を変えないこと
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相手より先に“自分が崩れない”こと
つまり、メンタルの整え方でした。
ポーカーは、相手の表情や癖、賭け方から心理を読み取る競技です。同時に、自分自身の焦りや慢心が最も大きな敵になります。一度のミスが即敗退につながる世界大会では、技術以上に「心の安定」が結果を左右します。
岡本さんは大会期間中、プレー以外の時間の過ごし方や、試合前のルーティンを徹底的に管理していたといいます。勝負どころでも冷静さを失わない姿勢が、連覇という結果につながりました。
日本でも始まる「ポーカーリーグ」という挑戦
こうした流れを受け、日本国内でも2026年からポーカーのリーグ戦が始まる予定です。企業スポンサーがつき、試合は配信を通じて継続的に届けられます。
これまでの大会型イベントと異なり、
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同じ選手が何度も登場する
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応援する「推し選手」が生まれる
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勝敗だけでなく成長の物語が見える
といった点で、ポーカーはより「スポーツ」に近づいていきます。
岡本さん自身も、
「同じメンバーが出続けることで、観る側が感情移入しやすくなる」
と語っており、競技の見え方が変わることへの期待をにじませています。
マインドスポーツは“見る競技”になれるか
将棋や囲碁、eスポーツと同様、ポーカーは身体能力よりも思考力と精神力が問われる「マインドスポーツ」に分類されます。海外ではすでに賞金額や視聴者数が急増し、プロとして成立する競技になっています。
日本ではまだ「ギャンブル」の印象が先行しがちですが、
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明確なルール
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長期的な実力差
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再現性のある勝利
という点では、他の競技と本質は変わりません。
岡本詩菜さんの2連覇は、日本におけるポーカーの立ち位置を変える象徴的な出来事と言えるでしょう。
「知のスポーツ」の可能性
勝敗を決めるのは運ではなく、判断の積み重ね。
そして、最後にものを言うのは自分自身の心の状態。
岡本さんの快挙は、ポーカーが単なるカードゲームではなく、高度な知とメンタルを競うスポーツであることを世界に示しました。国内リーグの始動とともに、日本発のマインドスポーツがどこまで広がっていくのか。注目は、これからです。

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