円が急落し一時158円台 解散観測で株高・円安が進んだ理由とは

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2026年1月9日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は一時1ドル=158円台前半まで下落しました。2025年1月以来、約1年ぶりとなる円安水準です。同時に、日経平均株価先物は急伸し、市場では株高・円安の動きが強まりました。

背景にあったのは、高市早苗首相が通常国会の冒頭で衆議院解散を検討しているとの報道です。報道を受け、為替や株式市場は一斉に反応しました。



解散観測が円安につながった理由

為替市場では、政治の動きが経済政策に影響を与える可能性がある場合、通貨が売買されやすくなります。今回の解散観測を受け、市場では次のような見方が広がりました。

解散・総選挙となれば、景気対策や積極的な財政政策が打ち出されやすくなります。財政支出が拡大すれば、国債発行の増加や金融緩和の長期化が意識されやすくなります。その結果、円の価値が相対的に下がるとの見方が強まり、円売りが進みました。

ロンドンの為替ブローカーは「報道の真偽は分からないが、株高・円安という反応の型は決まっている」と話しており、市場が条件反射的に動いた様子がうかがえます。

日経平均先物は1700円超上昇

円安が進むと、輸出企業の採算が改善しやすくなります。このため株式市場では、業績改善への期待から買いが入りやすくなります。

大阪取引所の日経平均先物は、9日夜に一時、同日の清算値と比べて1710円高い5万3790円を付けました。日経平均株価の9日の終値は5万1939円で、先物はそれを大きく上回る水準です。

市場関係者からは「想定よりも早い解散観測がサプライズとして受け止められた」「週明けも国内投資家を中心に日本株が買われる展開を予想する」との声が出ています。

米雇用統計もドル買いを後押し

円安の進行には、米国の経済指標も影響しました。米労働省が発表した12月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比5万人増となり、市場予想の範囲内に収まりました。

一方で、失業率は4.4%と市場予想を下回りました。これを受けて米国債利回りが上昇し、ドルが買われやすくなりました。日米の金利差を意識した動きも、円売り・ドル買いを後押しした形です。

市場は事実より「先読み」で動きます

今回の円安・株高の特徴は、衆議院解散が正式に決まったわけではない点です。それでも市場は、将来起こり得るシナリオを先取りして反応しました。

為替や株式市場では、確定した事実だけでなく、「そうなりそうだ」という期待や警戒が価格に反映されます。政治情勢、財政政策への見方、米国経済の動向が重なり、短時間で大きな値動きにつながりました。

今後、解散の有無や政権の経済運営方針が明らかになるにつれて、円相場や株価はさらに変動する可能性があります。市場はしばらく、政治関連のニュースに敏感な展開が続きそうです。

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