東京都墨田区で、極めて痛ましい事件が発覚しました。
雑居ビル内にある風俗店の待機所で、乳児の切断遺体が冷凍保存されていたとして、警視庁は22歳の女性従業員を逮捕しました。
逮捕されたのは、住所不定・職業風俗店従業員の小原麗容疑者(22)です。
事件の概要 冷蔵庫の清掃中に「子どもの頭のようなもの」
警視庁捜査1課によりますと、事件が発覚したのは12月6日。
風俗店の男性従業員が待機所の冷蔵庫を清掃していたところ、
「子どもの頭のようなものがある」
として110番通報しました。
警察が現場を調べたところ、冷蔵庫の冷凍室から乳児の頭部が見つかり、その後の鑑識活動で左右の腕や脚も発見されました。
容疑者は母親 DNA鑑定で親子関係を確認
警視庁は、事件発覚後に店の従業員らにDNA型の提供を依頼。
その結果、見つかった乳児の遺体と小原容疑者のDNAが一致し、親子関係に矛盾がないことが判明しました。
さらに、頭部を包んでいたポリ袋から検出された指紋も、小原容疑者のものと一致したということです。
これらの証拠から、警視庁は18日、死体遺棄と死体損壊の疑いで小原容疑者を逮捕しました。
「出産時に泣かず、動いていなかった」供述内容
小原容疑者は容疑を認めており、警察の調べに対し次のように供述しています。
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「出産の際、赤ちゃんが泣かず、動いていなかった」
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「隠さなくてはいけないと思い、バラバラにしようと思った」
捜査関係者によると、容疑者は風俗店の待機所で出産し、その数日後、近くのホテルで遺体を切断したと説明しているということです。
なぜ冷凍室に保管していたのか 容疑者の説明
遺体の一部を冷凍室に入れていた理由について、小原容疑者は、
「産んだ子をそばに置いておきたかった」
と話しているとされています。
一方で、胴体部分については「待機所のごみ箱に捨てた」とも供述しており、警視庁は詳しい経緯を慎重に調べています。
背景に何があったのか 孤立出産の可能性も
現時点で、赤ちゃんが死産だったのか、出産後に死亡したのかについては明らかになっていません。
警視庁は司法解剖を行い、死亡時期や死因を詳しく調べる方針です。
また、
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妊娠を誰にも相談できなかった可能性
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生活の不安や社会的孤立
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店側や周囲が妊娠に気づいていたかどうか
といった点も、今後の捜査の焦点となります。
繰り返される「孤立した出産」と悲劇
近年、誰にも相談できないまま出産し、事件に発展するケースが後を絶ちません。
専門家からは、妊娠や出産をめぐる支援体制の周知不足や、若年層の孤立が問題視されています。
今回の事件も、単なる刑事事件としてだけでなく、社会全体で防げなかったのかが問われるケースと言えるでしょう。
警視庁は動機や経緯を慎重に捜査
警視庁は今後、
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赤ちゃんの詳しい死因
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出産から遺棄までの正確な時系列
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容疑者の生活状況や精神状態
などを詳しく調べ、事件の全容解明を進めるとしています。

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