11月25日午後6時1分ごろ、熊本県阿蘇地方を震源とする最大震度5強の強い地震が発生しました。気象庁は同日夜の会見で
「今後1週間は最大震度5強程度の地震に注意。さらに強い揺れが来る可能性もある」
と述べ、住民に厳重な警戒を呼びかけています。
熊本は2016年の熊本地震をはじめ、過去に大きな被害を受けてきた地域です。今回の揺れは記憶を呼び起こし、多くの住民が不安を募らせています。気象庁は「阿蘇山の火山活動との直接の関連は現時点で否定できる」と説明しつつも、群発的な地震が続く可能性を強調しました。
本記事では、今回の地震の詳細、会見で明かされた“注意すべき理由”、過去の事例、阿蘇山の状況、そして住民が今すぐ取るべき備えについて分かりやすく解説します。
■今回の地震の概要
25日午後6時1分ごろ、熊本県阿蘇地方を震源とする地震が発生。
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震源地:熊本県阿蘇地方
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震源の深さ:9km(非常に浅い地震)
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マグニチュード:5.8(暫定値)
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最大震度:5強(熊本県産山村)
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震度5弱:熊本県阿蘇市、大分県竹田市
浅い場所を震源としたため、揺れの伝わり方が強く、熊本や大分の広い地域で体感するほどの強い揺れとなりました。
■地震後、わずか1時間で「震度1以上の地震が9回」
気象庁によると、本震から午後7時までの1時間の間に、
9回の有感地震(震度1以上)を観測。
これは典型的な“群発地震”型の揺れ方で、
「一度大きな地震が起きたあとに、余震が短時間に続く」
という特徴を示しています。
揺れが断続的に続くことで、多くの住民が屋外に避難したまま様子を伺う状態が続きました。
■気象庁「特に2〜3日は注意を」
今回の会見で最も強調されたのは、
「過去にも同規模地震のあと、さらに大きい地震が数日以内に発生した事例がある」
という点です。
●過去の具体的な事例
1975年、今回と同じ阿蘇周辺で
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M5.5の地震が発生
→ 1日後にM6.1の地震が発生
つまり、
「本震より大きい揺れが後から来る」
というパターンが実際に起きています。
海老田課長は会見で次のように説明しました。
「この地域では、過去に大地震の発生から1週間程度の間に、同じ程度の地震が続けて発生した例があります。最大震度5強程度の地震に注意してください」
さらに、
「もっと強い揺れの地震が起きる可能性もある」
と明言。
とくに“地震発生から2〜3日間は強い揺れが起きやすい”ことを強調し、家具の固定や避難準備の見直し、靴の準備などを呼びかけました。
■阿蘇山との関係は? 気象庁「火山の変化は確認されず」
ネット上では
「阿蘇山噴火の予兆では?」
「火山性地震なのでは?」
という声が広がっています。
しかし、気象庁は次のように説明しています。
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阿蘇山の火山活動に有意な変化なし
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火山性微動の増加は確認されていない
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今回の地震は“断層の動きによる地震”で火山とは別系統
つまり、今回の揺れは火山活動とは直接関係しないという見解です。
ただし、火山と地震活動は完全に切り離せない面もあるため、今後も阿蘇山の火山観測は継続されます。
■住民は何に気をつければいい?
気象庁は「地震直後の数日間は、日常生活の見直しを」と強く呼びかけています。
●① 靴を手の届くところに置く
夜間の地震では割れたガラスで負傷する人が多く、熊本地震でも大きな問題となりました。
●② 懐中電灯・モバイルバッテリーの準備
余震が続くと停電リスクが上がるため、日中でも必ず備えるべきとのこと。
●③ 家具の固定の見直し
震度5強の揺れは背の高い家具が倒れるレベルです。
“今のうちの固定”が命を守ることにつながります。
●④ 入浴は湯船に水を張りすぎない
地震発生時に浴室に閉じ込められる事故が実際に起きています。
●⑤ 避難先を家族で再確認
LINEが使えない可能性もあるため、
「〇〇小学校に集合」など事前に決めておくことが重要です。
■熊本地震を経験した地域だからこその“特有の不安”
熊本は2016年の熊本地震で大きな被害を経験しました。
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震度7が2度
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大規模倒壊
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通信・物流が麻痺
今回の揺れが大きく報じられているのは、
地域の住民があの体験を鮮明に覚えているためです。
SNSでは
「揺れ方が独特で怖かった」
「熊本地震の時と似ている」
「子どもが泣き出した」
という声も多く、心理的な影響も大きくなっています。
■今後1週間はどうなるのか?
気象庁が強調しているのは以下の3点。
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最大震度5強程度の地震が再び起きる可能性がある
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特に2〜3日間が危険
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本震より大きい地震が起きる可能性も排除できない
これは決して「大地震が来る」と断定しているわけではありません。
しかし、過去の阿蘇周辺の地震パターンから“注意するべき期間”が明確になっているという意味です。
■まとめ
今回の熊本県での最大震度5強の地震について、気象庁は
「今後1週間は最大震度5強程度の地震に注意。さらに強い揺れの可能性もある」
と異例の呼びかけを行いました。
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過去の事例から見ても“数日以内の大きな揺れ”は珍しくない
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今も余震が頻発
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阿蘇山の火山活動との関連は否定
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家庭での備えが極めて重要
熊本県をはじめ、九州北部に住む人々は、数日間は常に“もしもの揺れ”を意識して過ごす必要があります。
備えは“やりすぎ”でちょうどいい。
今回は、そう断言しても良い状況といえるでしょう。


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