ここ1〜2週間、SNS上で拡散されたいじめ・暴行動画をきっかけに、学校や教育委員会が対応に追われる事案が相次いでいます。
特に話題となったのが、栃木県の県立高校、大分市の市立中学校、熊本県のいじめ重大事態の3件です。
それぞれの事案を整理しつつ、共通して浮かび上がる課題を見ていきます。
■ 栃木県立高校:校内暴行動画がSNSで拡散
最も大きな波紋を呼んだのが、栃木県内の県立高校で撮影された暴行動画です。
動画には、男子生徒が別の生徒に対して暴力を振るう様子が映っており、周囲で見ている生徒の存在も確認されていました。
この動画がSNSで急速に拡散したことで、学校と県教育委員会は事態を把握。
記者会見では「いじめの疑いがある」として、被害生徒や関係者に謝罪しました。
一方で、
-
学校側が把握したのは動画拡散後だった
-
学校名や生徒に関する情報がネット上で特定される動き
-
YouTuberや野次馬的な訪問による二次被害
といった問題も指摘されており、「動画拡散が新たな被害を生む構図」が改めて浮き彫りになっています。
■ 大分市立中学校:休み時間中の暴行動画が拡散
栃木に続いて注目されたのが、大分市内の市立中学校のケースです。
校内で生徒同士が殴る・蹴るなどの暴行を行う様子を撮影した動画がSNSで拡散しました。
大分市教育委員会は会見を開き、被害生徒や保護者に謝罪。
動画は休み時間中に撮影されたとみられ、複数の関連映像が投稿されていることも明らかになっています。
現時点では、
-
行為が「いじめ」に該当するか
-
継続性や背景関係
について調査が進められている段階とされています。
栃木と同様、学校側が動画拡散後に事態を把握した点が大きな課題として指摘されています。
■ 熊本県:動画拡散とは別文脈だが「いじめ重大事態」が注目
熊本県でも直近で「いじめ重大事態」が報じられています。
こちらはSNSでの暴行動画拡散が直接の発端ではありませんが、生徒への深刻ないじめが認定され、第三者委員会の設置などが進められています。
今回の栃木・大分の動画拡散事案と並べて語られる理由は、
-
学校内で起きたいじめが外部に可視化されて初めて問題化する構造
-
事後対応に追われる教育現場の共通点
があるためです。
■ 3件に共通するポイントとは
今回の3事案から見えてくる共通点は少なくありません。
-
学校が把握する前にSNSで拡散
-
動画が「告発」になる一方で、二次被害を生む危険性
-
周囲の生徒が止めず、撮影・共有に回る構図
-
いじめの線引きや初動対応の遅れ
特に、スマートフォンとSNSの普及により、
「いじめは学校内で完結しない問題」になっている現実が改めて突きつけられています。
■ 文科省も動く事態に
これらの状況を受け、文部科学省は全国の教育長らを対象に、
いじめ・暴行動画への対応をテーマとした緊急のオンライン会議を開く方針を示しています。
単なる個別事案ではなく、全国的な構造問題として扱われ始めている点も、今回の特徴といえるでしょう。
■ おわりに
栃木、大分、熊本の3件はそれぞれ事情が異なりますが、
「動画が拡散されて初めて問題が表面化する」という共通の課題を抱えています。
いじめの抑止、被害者の保護、そして拡散による新たな被害をどう防ぐのか。
教育現場と社会全体が突きつけられている課題は、決して小さくありません。

コメント