なぜSNSで炎上したのか、背景と人物像から読み解く
2025年11月19日、俳優の三田村邦彦さん(72)がXに投稿した一言が、大きな反響を呼んでいます。
三田村さんが取り上げたのは、18日に行われた日本と中国の外務省局長級協議後の一場面。中国の劉勁松(りゅう・けんしょう)アジア局長が“両手をポケットに入れたまま”日本側の金井正彰アジア大洋州局長と話す姿が映った動画・画像をめぐるものです。
画像は中国国営メディアが配信したとされ、SNSでは「わざと日本を軽んじて見せているのでは」「外交儀礼としてあり得ない」など多くの意見が噴出。
その波紋の中で、三田村さんがこう投稿しました。
「なんですか!この無礼な態度!」
この一言がトレンド上位に入り、ニュース番組でも取り上げられる事態となっています。
■「ポケットに両手」…なぜこれほど問題になったのか
外交の現場では、相手国に対する敬意や礼節が強く意識されます。
ポケットに両手を入れて会談相手と話す行為は、国際的にも“カジュアルすぎる、あるいは無礼とされる行動”に分類されることが多いとされています。
今回の動画では、
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劉局長は両手をポケットに入れたまま
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金井局長は下目遣いで聞く姿
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頭を下げているように見える瞬間もある
という構図が切り取られており、日本国内では「上下関係を誇示するように編集されているのでは」との声も出ています。
特に今回は高市首相の「台湾有事」答弁直後の協議で、日本国内の注目度が高かったことも炎上の追い風となりました。
■三田村邦彦さんはなぜ強く反応?
―昭和・平成の日本的礼節を体現してきた俳優としての背景
三田村邦彦さん(72)は俳優歴50年以上のベテランで、時代劇や刑事ドラマなど、礼節・仁義・振る舞いを重んじる役柄を多く務めてきました。
端正な立ち居振る舞いが求められる世界で生きてきた三田村さんにとって、外交の場での「ポケットに両手」は衝撃だったと推測されます。
また、三田村さんはXで時折、政治や社会問題にも言及しますが、過激ではなく“素朴な正義感や義憤”をベースにした発言が多いのが特徴です。
今回の投稿も、
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政治的立場を強く示すものではない
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「礼を欠く行為」に対するストレートな憤り
という、三田村さんらしい反応だと言えます。
■ネット反応は賛否に分裂
「当然の怒り」VS「外交は映り方がすべてじゃない」
SNSでは三田村さんの反応に対し、以下のように賛否が割れています。
●賛同の声
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「日本の代表に対して失礼すぎる」
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「これは外交というより演出だろう」
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「あの態度は見ていて不快だった」
●冷静な意見
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「動画は一部を切り取っている可能性がある」
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「実際の会談内容が重要」
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「中国側の国内向け演出だと思う」
特に“切り取り問題”については、専門家も「国営メディアが国内世論向けに編集している可能性は十分ある」と指摘しています。
■金井正彰局長とはどんな人物?
今回の騒動の“もう一人の主人公”である金井正彰アジア大洋州局長についても触れておきます。
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外務省のアジア外交の中核を担うポスト
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中国・韓国・台湾・ASEANなどを担当
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安倍政権以降の対中交渉で経験を積んだ交渉官
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慎重かつ実務型と評価される人物
金井氏は公の場で感情やジェスチャーを大きく出すタイプではなく、「紳士的」「冷静沈着」が長所と言われます。
今回の画像でも「頭を下げているように見える」ことが議論を呼んでいますが、外交儀礼上の丁寧な姿勢として説明できる部分もあります。
■“ポケット外交”が映した日中関係の現在地
今回の炎上は、以下の3つが重なったことで大きく可視化されました。
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中国国内向けの映像演出疑惑
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日本国内の対中感情の高まり
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高市首相の「台湾有事」発言直後というタイミング
SNSの拡散によって外交の“印象戦”はかつてないほど重要になっています。
数秒の映像や1枚の写真が、民間人を含めた国々の感情や議論を直接揺さぶる――
それが現代の外交の難しさだといえるでしょう。
■三田村邦彦さんの投稿が意味するもの
72歳の国民的俳優の怒りは、単なる芸能人コメントではなく、多くの日本人が抱いた「なんとなくのモヤモヤ」を代弁したものでした。
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「日本が軽んじられているように見える」
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「外交での態度は国の品格に直結する」
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「相手を立てない振る舞いは良くない」
といった感情が凝縮されているのです。
俳優という立場であっても、国の対外イメージに敏感であり、礼節を重んじる世代の象徴的反応ともいえます。
■まとめ
今回の“ポケット問題”は、単なる1枚の画像を超えて、
日中の外交姿勢、SNS時代の印象操作、そして日本国内の感情の動き
を浮かび上がらせました。
三田村邦彦さんの「なんですか!」という怒りは、ある意味で“国民の声を代弁する形”で広がりを見せたと言えるでしょう。


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