2025年5月11日(日)、東京・大田区総合体育館で行われた「Lifetime Boxing Fights 27」。
注目のWBA・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦で、WBA王者・井岡一翔(35)がIBF王者フェルナンド・マルティネス(32・アルゼンチン)と対戦しました。
結果は0-3の判定負け。井岡にとっては5年半ぶりの黒星となりました。
激しい接近戦も…終盤はマルティネスが優勢
試合は1ラウンド目から両者の距離が近く、打ち合いに。
井岡は得意の左ボディを中心に攻め、序盤は主導権を握る場面も見られました。
ですが、中盤以降はマルティネスが徐々に手数と圧力を強め、井岡がロープ際で被弾する場面が目立つように。
終盤には明らかにペースを持っていかれ、結果的には112-116、111-117、108-120という厳しいジャッジが並びました。
試合後の井岡「全力でやりきった。それに尽きる」
試合後、井岡は「王座を統一するためにやってきたので、結果としては悔しい。でも、1ラウンド1ラウンド全力で戦ってやり抜いた。それに尽きる」とコメント。
去就については「この先また戦っていくのかを考えないといけないが、終わったばかりなので、今は考えられていない」と、明言は避けました。
マルティネス側は「再戦も考えている」と前向きでしたが、井岡は「すぐにやりたいという気持ちは今はない」と話し、冷静な姿勢を見せました。
敗れても、その功績は色あせない

引用:Yahoo!ニュース
今回の判定負けは、誰の目から見ても完敗に近いものでした。
マルティネスのスピードと圧力は想像以上で、井岡の持ち味である細かい技術とボディ攻撃も、完全には通用しませんでした。
しかし、それでも思うのは──井岡一翔というボクサーが、日本ボクシング界に残した功績は本当に大きいということです。
世界4階級制覇。世界戦22勝という記録(※日本人タイ記録)。統一戦にも何度も挑み、常にチャレンジを続けてきたその姿勢。
派手なKOばかりがもてはやされる時代の中で、井岡のような「職人型ボクサー」がここまで愛されてきたことは、むしろ誇るべきことではないでしょうか。
今後どうなる? 引退か、続行か
35歳という年齢。そして王座陥落。この試合が「一区切り」になる可能性は十分あります。
とはいえ、井岡は「人生としての挑戦はまだまだ終わらない」とも語っており、次の道をどう歩むかは、今後の本人の決断次第です。
もしかしたらもう一度リングに戻ってくるかもしれないし、あるいは指導者として新たな道を選ぶかもしれません。
どちらにしても、これまで日本ボクシング界を牽引してきたその功績は、決して色あせることはありません。
今はただ、「おつかれさま」と言いたい。そして、彼の次の一歩を静かに見守りたいと思います。
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