【衝撃】福岡・皿倉山の滑り台で骨折事故相次ぐ 観光客や市職員も被害、使用中止に

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福岡県北九州市にある観光名所・皿倉山で、長さ30メートルの滑り台「ロングスライダー」を利用していた観光客や市民が相次いで大けがを負っていたことが明らかになりました。

滑り台のスピードが出やすい構造により、骨折などの重大事故がすでに4件発生しており、北九州市は現在、滑り台の使用を一時停止しています。

この滑り台は、子どもから大人まで楽しめる“絶景アクティビティ”として、地元住民や観光客の間で人気を博していましたが、安全性の問題が浮き彫りとなり、大きな波紋を呼んでいます。



観光名所 皿倉山とは?

Google マップ

皿倉山の名前は、日本書紀の「神功皇后伝説」に由来するといわれています。

神功皇后が西征の折、山に登られてはるかな国々を眺望されて下山したとき、さらに夕暗が深まっていたので、「更に暮れたり」と言われたことから、「更暮山」あるいは「更暗山」と呼ばれ、「皿倉山」に転じたとされています。

標高は622メートル、山頂まではケーブルカーやスロープカーを乗り継いで行くことができます。

台湾人女性が骨折、事故を機に一時閉鎖へ

事故が発生したのは2025年6月28日。

台湾から北九州市を訪れていた30代の女性観光客が、ロングスライダーを利用中に着地に失敗し、すねの骨(脛骨)を骨折するという大けがを負いました。

救急搬送され、現地の医療機関で手当てを受ける事態となりました。

この事故を受けて、北九州市は7月1日から滑り台の利用を全面的に中止。

現在、メーカーと連携して安全性の確認および構造上の問題点を洗い出している最中です。

実は過去にも…4件の骨折事故が判明

この滑り台は、2024年4月にリニューアル設置されたばかりの新しい遊具で、長さ約30メートル、高低差7メートルという規模を誇ります。

しかし、今回の台湾人女性の事故以前にも、すでに3件の骨折事故が発生していたことが判明しました。

1件目は2024年4月25日、市の職員(40代男性)が試験滑走をした際に右足を骨折。

続いて、70代の男性利用者が滑走後に尻もちをつき、尾てい骨を骨折する事故が報告されました。

さらに、小学生に抱えられて滑った2歳の幼児が右足を骨折するという痛ましい事故も発生しています。

こうした事例はすべて市に報告されており、対策として「スピードが出すぎる可能性があるため注意」とする表示や、滑り方の案内板が設置されていました。

しかし、それでも事故は防げず、再発防止には至らなかったのが現状です。

 

「絶景とスリルの融合」が仇に?設計上のリスクも

皿倉山の滑り台は、山頂からの美しい景色とともに、スピード感あるスライドが楽しめる構造となっていました。

滑り出しの傾斜が急であること、また途中で加速しやすい形状になっていることが、楽しさの一方で危険性も孕んでいたようです。

利用者からは以前から「スピードが出すぎて危ない」「勢いよく飛び出してしまう」といった声が寄せられていましたが、「安全性は確保されている」として、市は特に大きな対策を講じていなかったといいます。

事故が相次いだことにより、北九州市は改めて構造的な安全性の検証に着手。

滑り台を設計・施工した遊具メーカーと協議を進め、必要であれば一部の構造改修も検討するとのことです。

市は対策強化へ 再開は夏休み前を予定

北九州市では現在、次のような対策を検討・実施中です。

  • 多言語対応(英語・中国語など)の注意書き表示
  • 絵やイラストを用いた滑走方法の案内強化
  • 年齢制限(未就学児の利用禁止)の徹底
  • 職員による現地での呼びかけと監視体制の強化

市の担当者によると、「夏休みの観光シーズン前である7月下旬を目途に、安全対策を整えたうえで再開を目指している」とのことです。

今後は、再開に向けた具体的な改修内容や、安全指針の策定が焦点となります。

特に観光客の増加が見込まれる夏季には、国内外からの利用者が見込まれるため、より一層の安全対策が求められるでしょう。

利用者の声は「再開してほしい」「でも怖い」

SNS上では今回のニュースを受けて、さまざまな反応が寄せられています。

「あれだけ急な滑り台、そりゃ事故起きるよね」

「子どもと行ったけど、見ていてヒヤヒヤした」

「怖かったけど、絶景で楽しかったからまた再開してほしい」

滑り台のスリルと景観を楽しみにしていたという声も多く、安全性をしっかり確保したうえでの再開を望む意見が大半を占めていました。

一方で、「市職員がけがをしていたのに放置していたのは問題」として、市の管理体制を問う声も上がっています。

滑り台事故が突きつけた“公共施設の安全管理”

今回の一連の事故は、単なる遊具の問題にとどまらず、「公共施設における安全管理のあり方」を考えさせられる出来事でした。

市の施設が観光資源としての役割を果たす一方で、十分な検証やリスク管理がなされなければ、取り返しのつかない事故につながることもあります。

北九州市に限らず、全国の公園や観光地における大型遊具には、同様のリスクが潜んでいる可能性があります。

設置後の定期的な点検や、利用者の声を迅速に取り入れた改善対応が、今後はより一層求められるでしょう。

まとめ:再開に向けて、問われる信頼回復

皿倉山の滑り台は、一時的に使用が停止されたものの、市民や観光客にとっては「また滑りたい」と思える魅力的なアクティビティであることも確かです。

再開に向けては、事故の反省を踏まえた上で、構造的な安全強化と丁寧な情報提供、現場での対応力を備えた体制が求められます。

観光立市を目指す北九州市にとって、今回の出来事は安全管理と信頼構築の重要性を改めて突きつける教訓といえるでしょう。

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