北海道で農作業中の悲劇 70代男性がトラクターに挟まれ死亡 安全対策の重要性を改めて問う事故に

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2025年8月8日、北海道中川郡本別町で、農作業をしていた70代の男性がトラクターと農機具の間に挟まれ、死亡する事故が発生しました。

農業が盛んな北海道では毎年のように農作業事故が報告されますが、今回のケースは地元住民にも衝撃を与え、安全対策や作業環境の見直しを求める声が高まっています。



■ 事故の概要

事故が発生したのは8月8日午後3時頃、本別町内の農地です。

警察の発表によると、70代の男性が自宅近くの畑でトラクターを使用して作業中、トラクターと後部に連結された農機具(草刈りや耕耘作業に用いられるタイプ)との間に挟まれているのを、家族が発見しました。

家族はすぐに119番通報しましたが、救急隊が到着した時にはすでに男性は心肺停止の状態で、その後、搬送先の病院で死亡が確認されました。

現場には男性一人しかおらず、作業中に誤ってトラクターの動力部に近づいた際に巻き込まれた可能性が高いとみられています。

■ 北海道で多発する農業事故

北海道警の統計によると、道内では毎年100件以上の農作業中の事故が発生しており、その多くが高齢の農業従事者によるものです。

特にトラクターやコンバインなど大型農機の事故は死亡率が高く、「単独作業中に機械に挟まれる」「転倒して下敷きになる」というケースが目立ちます。

農機具は強力な動力を持つため、衣服や体が巻き込まれると数秒で致命傷に至ることも少なくありません。

また、北海道の広大な農地では一人で作業することが多く、発見や救助が遅れるリスクが高いのも特徴です。

■ 事故原因と考えられる要因

今回の事故で考えられる原因は以下の通りです。

  • 作業中の位置取りミス
     後部の農機具やPTO(動力伝達装置)付近は特に危険で、稼働中に近づくと巻き込まれる可能性が高まります。

  • 高齢による反応速度低下
     瞬時の回避行動が取りづらく、足元の不安定さや判断の遅れが事故を招くことがあります。

  • 単独作業の危険性
     同僚や家族が近くにいないと、発見や救助が遅れ、致命的な結果につながります。

■ 専門家が語る防止策

農業安全の専門家は次のように指摘しています。

  1. 作業前に必ず機械を停止する
     エンジンを切り、鍵を抜いた状態で点検や修理を行うこと。

  2. 安全カバーの装着を徹底
     回転部やベルト部には安全カバーを取り付け、外れた場合はすぐ修理。

  3. 単独作業を避ける
     最低でも家族や仲間と連絡を取り合いながら作業を行う。

  4. 高齢者への安全教育の強化
     反応速度や体力の低下を考慮した作業方法の見直し。

■ 地元農家の声

事故現場近くで農業を営む60代男性は、次のように話しています。

「農業は危険と隣り合わせですが、作業が慣れすぎてしまうと注意が薄れてしまう。今回の事故は他人事ではない。自分も機械を使う時は、家族に作業予定を必ず伝えるようにしています。」

■ 今後の対応

警察は、現場の状況や機械の状態を調べ、正確な事故原因を特定する方針です。

また、本別町では地元農協と協力し、高齢農業者向けの安全講習会の開催を検討しています。

農業は地域を支える重要な産業ですが、同時に命を落とす危険性を伴う仕事でもあります。

今回の痛ましい事故が、安全意識を高めるきっかけになることが求められます。

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