親が高齢になってくると、以前は普通にできていた家事が少しずつ難しくなることがあります。
料理をするのが面倒になった。洗濯物を干すのが大変になった。掃除をしなくなった。買い物に行く回数が減った。
一つだけなら「年齢のせいかな」と思うかもしれません。
ところが、家事がいくつもできなくなってくると、家族が手伝わなければならない場面も増えてきます。
最初は休日に掃除をしてあげる程度だったのに、気づけば買い物、料理、洗濯まで子どもがやっている。
そうなると、親を支える側の負担もかなり大きくなります。
親の家事が難しくなってきたときは、家族だけで全部やろうとするのではなく、「何を手伝えばいいのか」「外部に頼めることはないか」を一度整理してみましょう。
まずは「できなくなった家事」を整理する
親の家事ができなくなったと感じたら、最初に確認したいのは、何ができなくなったのかです。
たとえば、料理はできるけれど買い物が難しいという親もいます。
洗濯機は使えるけれど、布団を干すのが大変になったというケースもあります。
掃除機を持ち上げるのが難しい、風呂掃除がつらい、ゴミ出しができないなど、年齢とともに負担になりやすい家事はいろいろあります。
ここを一緒にして「家事ができなくなった」と考えてしまうと、必要以上に親の生活を変えてしまうことがあります。
まずは、親が今でもできることと、手伝いが必要になったことを分けて考えてみましょう。
家事ができない理由も確認する
もう一つ大切なのが、「なぜできなくなったのか」です。
足腰が弱くなったために掃除が難しいのかもしれません。
買い物で重いものを持てないのかもしれません。
料理をする体力がなくなったのかもしれません。
あるいは、物忘れが増えて、火を使う料理が心配になっている可能性もあります。
単純に「面倒だからやらなくなった」と思っていたら、実は身体の不調が原因だったということもあります。
家事の変化は、親の生活状態を知る一つのきっかけにもなります。
特に、以前は問題なくできていたことが急にできなくなった場合は、家事だけの問題として片付けず、体調や物忘れなどにも変化がないか確認しておきたいところです。
家族が全部やる必要はない
親の家事ができなくなったとき、最初に考えやすいのが「自分がやってあげよう」という方法です。
もちろん、近くに住んでいるなら、買い物や掃除を手伝うこともできます。
ただ、親の家事が増えてくると、それを家族がすべて引き受けるのは難しくなります。
仕事が終わってから親の家に行き、掃除をして、買い物をして、食事を用意する。
それを毎週続けるとなれば、親を支える側にも無理が出てきます。
だからこそ、最初から「家族がやること」と「別の方法を使うこと」を分けて考えてもいいのです。
たとえば、買い物は宅配を利用し、掃除は家族が行う。
料理は宅配食を利用し、洗濯だけ家族が手伝う。
このように、一つひとつの家事を別々に考えると、負担を減らしやすくなります。
掃除や料理なら「家事代行」という方法もある
親の家事を支える方法の一つとして、家事代行サービスがあります。
家事代行は、介護サービスとは違います。
基本的には、掃除や料理などの日常的な家事を代わりに行ってもらうサービスです。
たとえば、家の中の掃除、水回りの掃除、部屋の片付けなどを依頼できるサービスがあります。
「親の介護をしてもらう」というより、「親ができなくなった家事の一部を手伝ってもらう」と考えると分かりやすいでしょう。
たとえばCrowd Careでは、掃除代行や料理代行を提供しており、スポット利用にも対応しています。掃除代行では、キッチンや浴室、トイレ、リビング、玄関など、一般的な家庭内の掃除を依頼できます。
一方で、身体介護などの直接身体に触れる作業は対象外です。
そのため、「家事を手伝ってほしい」のか、「介護をしてほしい」のかを最初に分けて考えることが大切です。
家事代行を使うなら、最初は一度だけでもいい
いきなり定期契約をする必要はありません。
親が家事代行を嫌がるかもしれませんし、どのくらいの頻度で必要なのかも最初は分からないからです。
まずは一度だけ掃除を頼んでみて、親の反応を見るという方法もあります。
「掃除をしてもらおう」と言うと抵抗があるなら、「一度だけ水回りをきれいにしてもらうのはどう?」など、頼む範囲を小さくするのも一つです。
Crowd Careにもスポット利用があり、定期利用だけでなく「今回だけ」という使い方ができます。
親が家事代行を嫌がったらどうする?
高齢の親の中には、家事代行を嫌がる人もいます。
「自分の家に知らない人を入れたくない」
「まだ自分でできる」
「子どもにお金を使わせたくない」
と考えるからです。
この場合、無理に利用させる必要はありません。
まずは、親が何を嫌がっているのかを聞いてみましょう。
知らない人が家に入ることが嫌なのか。
お金を払うことが嫌なのか。
「家事もできなくなった」と思われるのが嫌なのか。
理由によって、提案の仕方も変わります。
また、家事代行を利用することが親の生活をすべて他人に任せることではないことも伝えておきたいところです。
たとえば、月に一度だけ水回りを掃除してもらうなど、家族の負担が大きい部分だけを外に出す方法もあります。
介護が必要なら、家事代行とは別に考える
ここは特に注意したいところです。
親が掃除や料理をできなくなったからといって、すべてを家事代行で解決できるわけではありません。
たとえば、
- 一人でトイレに行くのが難しい
- 入浴に介助が必要
- 着替えを手伝ってほしい
- 薬の管理ができない
- 転倒が増えている
- 食事を自分で取ることが難しい
といった状態なら、単なる家事の問題ではなく、介護や見守りについて考える必要があります。
すでに介護保険を利用しているなら、ケアマネジャーに相談しましょう。
まだ介護保険を利用していない場合でも、地域包括支援センターに相談できます。
「掃除ができなくなった」という相談からでも、親の生活全体を見てもらうきっかけになります。
家事の変化は「親の生活を見直すサイン」かもしれない
家事ができなくなったこと自体よりも、それによって親の生活にどんな影響が出ているかを見ることが大切です。
冷蔵庫の中に食べ物がほとんどない。
洗濯物が何日も溜まっている。
ゴミが出せなくなっている。
部屋の中に足の踏み場がない。
お風呂に入らなくなった。
こうした変化がいくつも出ているなら、単に掃除を手伝えば解決する問題ではない可能性があります。
以前の記事で紹介した「親の家が散らかっている」という状態ともつながってきます。
また、買い物が難しくなっているなら、宅配や食事サービスを利用することで家族の負担を減らせる場合もあります。
一つの家事だけを見るのではなく、親が今まで通り生活できているかを見ていきましょう。
家族が無理をしないことも大切
親の家事を手伝うことは、もちろん大切です。
ただし、家族が疲れ切ってしまえば、その状態を長く続けることはできません。
親のために毎週通っていたのに、仕事との両立が難しくなった。
自分の家庭との時間がなくなった。
親の家事をすることが負担になって、親との関係まで悪くなってしまった。
こうなる前に、外部のサービスを利用することを考えてみてもいいでしょう。
家族がやるべきことと、家族でなくてもできることを分けるだけでも、負担は変わります。
すべてを誰かに任せる必要はありません。
親ができることは続けてもらい、難しくなった部分だけを家族やサービスで補う。
そのくらいの考え方から始めてもいいのではないでしょうか。
親の家事が難しくなったら、まず「何ができないのか」を確認する
親の家事ができなくなってきたと感じたら、いきなり介護サービスを探す必要はありません。
まずは、
「何ができなくなったのか」
「なぜできなくなったのか」
「家族が手伝えるのはどこまでか」
を整理してみましょう。
掃除や料理などの家事だけなら、家事代行や宅配などで負担を減らせることがあります。
一方で、入浴やトイレ、薬の管理などにも問題が出ているなら、介護サービスや地域の相談窓口について考えるタイミングです。
親の生活を支える方法は、家族が全部やることだけではありません。
無理なく続けられる方法を探しながら、親ができることはできるだけ残していく。
それが、親にとっても家族にとっても続けやすい支え方です。


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