日本サッカー界を揺るがす衝撃的なニュースが飛び込んできました。
日本サッカー協会(JFA)は10月7日、技術委員長の影山雅永(かげやま・まさなが)氏(58)を解任したと発表しました。影山氏は海外出張中のフランスで児童ポルノ画像の輸入・所持の容疑で現地警察に逮捕され、6日に有罪判決を受けていたことが明らかになりました。
この突然の発表は日本サッカー界に大きな波紋を広げています。
JFAは同日午後7時から都内で緊急会見を開き、理事会での正式な解任を決議したと説明しました。
■ 協会が緊急会見「大変遺憾であり、お騒がせして申し訳ない」
会見の冒頭で、湯川専務理事は厳しい表情でこう述べました。
「本日の理事会において、影山雅永技術委員長との契約を解除し、職を解任することを決議しました。海外出張中の行為に対して有罪判決が出されたことを受けての判断です。日本サッカー協会として大変遺憾であり、ご心配・お騒がせしていることを深くお詫び申し上げます」
JFAの宮本恒靖会長(元日本代表)は、書面で以下のコメントを発表しました。
「今回の件はサッカー界として到底許容できるものではありません。これまでガバナンスやコンプライアンス強化に取り組んできたものの、改めて体制を見直し、徹底した改善を進める覚悟です。JFAの理念に立ち返り、信頼回復に努めます」
■ 影山氏は「U-20W杯視察のためチリへ」…パリ経由で拘束
影山氏は10月2日、チリで開催されているU-20ワールドカップ視察のために日本を出発。
経由地のパリ・シャルルドゴール空港で、現地警察に拘束されたとみられています。フランスメディアによると、影山氏は機内でタブレット端末に児童ポルノ画像を表示していたところ、客室乗務員に発見・通報されたということです。
現地紙「ル・パリジャン」や「ル・モンド」など複数の報道では、「影山氏はおよそ10歳前後とみられる少女の画像を所持していた」「パリ近郊のボビニー簡易裁判所で有罪判決を受けた」と詳細を伝えています。
有罪判決が出たのは現地時間の10月6日(月)。協会が拘留の事実を把握したのは5日で、本人と連絡を取った際、影山氏は謝罪の意を示したとされています。
■ プライバシー保護で詳細は非公表も、国際的な影響は避けられず
JFA側は、影山氏の逮捕経緯や量刑の詳細については「個人のプライバシー保護の観点から回答を控える」と説明。
ただし、「事実関係の重大性を踏まえ、速やかに処分を決定した」としています。
今回の件は、国際的なイメージ悪化という点でも深刻です。
影山氏はアジアサッカー連盟(AFC)や国際サッカー連盟(FIFA)の技術部門とも密接な関係を持っており、各国のユース代表や育成年代の指導者からも高い評価を受けていました。
それだけに、「国際大会視察の最中に現地で逮捕・有罪」という異例の事態は、国内外のサッカー関係者に強い衝撃を与えています。
■ 後任は未定、技術委員会の立て直しが急務
技術委員会は、日本代表や年代別代表の監督人事、強化方針の決定など、協会の中でも極めて重要な部署です。
現在、影山氏の後任は決まっておらず、JFAは「代行を置くかどうかを含め、組織内で検討を進める」としています。
影山氏は技術委員長として、森保ジャパンのサポートや、育成年代の代表監督選定にも関わってきました。その突然の離脱は、代表強化体制にも影響を与えることは避けられません。
■ 影山雅永氏とはどんな人物か
影山雅永氏は1967年生まれ、広島県出身。
現役時代はディフェンダーとして活躍し、ガンバ大阪や浦和レッズなどでプレーしました。引退後は指導者の道に進み、Jリーグのクラブでコーチ・監督を歴任。特にU-20日本代表監督として2023年U-20W杯に出場させたことで知られています。
その柔軟な戦術眼と選手育成への情熱から、「日本サッカー育成のキーマン」とも呼ばれてきました。2023年にはJFAの技術委員長に就任し、日本代表の中長期的な強化ビジョンを策定する中心人物でした。
■ JFAの信頼揺らぐ中、ガバナンス体制見直しへ
JFAは過去にも一部職員の不正経理や、協会関係者の不祥事で批判を受けたことがありますが、今回の件はそれらとは次元が異なります。
組織トップに近い立場の技術委員長が国外で刑事事件を起こし、現地で有罪判決を受けたというのは前例がありません。
会見では、宮本会長が「ガバナンス体制の見直しと再発防止策を早急にまとめる」と強調。
協会は今後、海外出張時の行動規範や端末管理のルール強化を含めた改革に着手するとしています。
■ SNSでは「信じられない」「日本サッカーの恥」と怒りの声
このニュースが報じられると、SNSではすぐにトレンド入り。
「影山技術委員長」「JFA解任」「児童ポルノ」が並ぶ異常な状況となりました。
X(旧Twitter)では次のようなコメントが目立っています。
「信じられない。日本サッカーの要職の人が、こんなことを」
「U-20の選手たちがかわいそう。尊敬していた監督なのに」
「海外での行動にも責任が問われる立場だったのに、残念すぎる」
また一部では、「協会のチェック体制が甘すぎる」「再発防止策を具体的に出すべき」といった協会運営への批判も広がっています。
■ 今後の焦点は「代表チームへの影響」と「協会の再生」
影山氏の不祥事は、タイミング的にも極めて悪い影響を及ぼします。
U-23代表は来年のパリ五輪を控え、A代表も2026年W杯アジア最終予選を目前に控えています。
育成年代の統括者が不在となったことで、チーム強化方針や次世代育成プランの見直しが必要になるでしょう。
日本サッカー協会は、「代行体制を早急に整え、混乱を最小限に抑える」と説明していますが、信頼回復には時間を要すると見られます。
■ まとめ
今回の事件は、個人の不祥事にとどまらず、組織全体の倫理観や危機管理能力を問うものとなりました。
海外出張中という特殊な状況で起きたとはいえ、JFAの中核を担っていた人物の逮捕・有罪判決は、日本サッカー界に深い傷を残しました。
日本サッカー協会が今後どのように再発防止策を講じ、信頼を取り戻していくのか。
そして何より、若い世代の選手たちがこの出来事をどう受け止め、前を向けるかが問われています。
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