静岡県伊東市の田久保真紀市長をめぐり、「学歴詐称ではないか」との疑惑が浮上しています。
市の公式ホームページには「高校卒業」と明記されていますが、田久保氏自身は「経歴詐称ではない」と反論しており、
ホームページの表記と本人の説明が食い違う状況となっています。
◆ ホームページでは「高卒」表記
2025年10月20日、伊東市は公式ホームページに掲載している市長プロフィールを更新し、最終学歴を「静岡県立伊東城ケ崎高等学校普通科卒業」と明記しました。
これは、学歴詐称疑惑を受けて新設された「市長職の経歴に関する要領」に基づき、学歴証明書の提出により確認されたものです。
つまり、市としては「高卒」が正式な最終学歴であるという立場を明示した形です。
◆ 本人は「除籍」認めるも「詐称ではない」と反論!
一方で田久保氏は、会見や議会答弁などで次のように述べています。
「私は大学を卒業していません。除籍であることを確認しています」
「しかし、私が経歴を詐称しているということは一切ございません」
つまり本人は「大学は除籍扱いである」と認めつつも、「卒業と偽ったことはない」と主張しています。
当初、伊東市の広報誌などでは「東洋大学法学部卒業」と記載されていましたが、その後、大学側の確認で「除籍」であることが判明。
この点について、本人は「公職選挙法上の問題はない」と説明しています。
◆ 「弁護士に任せている」「怪文書には対応しない」とも発言
学歴疑惑が表面化した直後、田久保氏は「この件は弁護士に一任している」とコメントし、市議会の質疑に対しても「私個人としての発言は控える」と慎重な姿勢を取りました。
また、学歴に関する疑念を最初に広めた“匿名の怪文書”については、「出所不明の文書には対応しない」と述べ、あくまで事実確認を優先する姿勢を示しました。
◆ 市議会では説明不足との声も
一方で、市議会や市民からは「説明責任を果たしていない」との声が相次いでいます。
特に、「卒業証書や正式な書類を提示すればすぐに解決するのでは?」という指摘が多く、本人の説明が十分でないとの印象を与えています。
さらに、学歴問題をめぐる混乱の中で、市議会は田久保氏への不信任決議を可決。
市長はこれに対抗して議会を解散するなど、政治的な緊張も高まっています。
◆ 【時系列でみる】田久保真紀市長「学歴問題」の経緯
日付 | 出来事 | 概要 |
---|---|---|
2025年5月25日 | 伊東市長に初当選・就任 | 広報誌などで「東洋大学法学部卒業」と掲載される |
2025年6月上旬 | 匿名文書で“学歴疑惑”が浮上 | 「中退ではなく除籍だった」との内容が出回る |
2025年6月25日 | 市議会で質疑応答 | 「弁護士に任せているので個別の発言は控える」と発言 |
2025年7月2日 | 会見で釈明 | 「除籍であるが、詐称は一切ない」と説明 |
2025年8月13日 | 百条委員会で証言 | 「6月末に除籍の事実を知った」と明かす |
2025年10月20日 | 市ホームページ更新 | 最終学歴が「高校卒業」に修正される |
◆「事実」と「認識」のズレが信頼を揺るがす
今回のケースでは、「市が公的に確認した学歴」と「本人の認識」に微妙なズレが生じています。
田久保氏は「除籍を認めた上で、詐称はしていない」と主張していますが、公的な発信内容が異なっていたことから、結果的に“信頼の揺らぎ”を招いた形となっています。
政治家にとって経歴は、政策以上に「誠実さ」を示すバロメーターでもあります。
今後、田久保市長がどのように信頼回復を図るのか——その説明のあり方が注目されています。
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