ホンダは17日、日本と中国の自動車工場で生産停止や減産を実施すると発表しました。日本では鈴鹿製作所と埼玉製作所の寄居工場という国内全拠点が対象となり、2026年1月早々からラインが止まります。原因は世界的な「半導体不足」ですが、その背景には、一企業の力ではどうにもできない「国家間の輸出規制」という複雑な火種が隠されています。
止まったのは「オランダの中国資本」？複雑すぎる供給網の罠！
今回の生産停止の直接的な引き金となったのは、オランダに本社を置く半導体メーカー「ネクスペリア」からの出荷遅延です。実はこの企業、本社こそオランダですが、資本は中国という特殊な立ち位置にあります。
中国とオランダの国家間対立により、一時的に出荷がストップ。現在は解消に向かっているものの、在庫が枯渇したホンダには「作る車がない」という事態が直撃しました。一見、日中の経済活動に見えますが、実は「欧州vs中国」の火の粉が、日本の基幹産業である自動車生産を焼き払った形です。
納期がさらに絶望的に？「中古車価格」への波及は避けられない！
大手が報じるのは「減産」の事実までですが、消費者が直面するのは「さらなる納期遅延」という現実です。ただでさえ新型車の納期が数カ月から年単位に及ぶ中、年明け早々のストップは、春の新生活に向けた納車待ちユーザーに追い打ちをかけます。
新車が入らなければ、需要は中古車市場へ流れます。「ホンダの工場が止まる＝中古のN-BOXやステップワゴンの価格が高騰する」という、家計を直撃するサイクルが再燃する可能性は大です。
なぜホンダだけが「狙い撃ち」されたのか？トヨタとの命運を分けた差！
同様の事態は他社でも起こり得ますが、今回ホンダが顕著に影響を受けたのは、その「供給網（サプライチェーン）」の構成にあります。トヨタなどが震災以降、部品在庫を厚く持つ「脱・ジャストインタイム」へと舵を切ったのに対し、効率化を突き詰めてきたホンダの体制が、地政学リスクという現代の嵐に対して脆さを露呈したとも言えます。
今回の件は、単なるパーツ不足ではありません。「どの国の資本の部品を使っているか」が、工場の稼働を左右する時代になったことを象徴しています。
自動車メーカーは「政治の駒」にされる時代へ！
ホンダの生産停止は、一企業の経営判断を超え、世界の政治情勢がいかに私たちの生活（車の購入や買い替え）に直結しているかを突きつけました。今後、中国資本の企業が欧米と対立するたびに日本の工場が止まるのであれば、自動車メーカーは抜本的な「部品の脱・中国」を迫られることになるかもしれません。
「半導体が足りない」という言葉の裏にある、国家間のパワーゲーム。次に狙われるのはどのメーカーなのか、私たちはその動向を注視する必要があります。
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