親の通院に毎回付き添うのは、正直かなり大変です。
仕事を休んで病院まで送り迎えし、受付を済ませ、診察が終わるまで待つ。薬を受け取って実家まで送り届ければ、それだけで半日が終わってしまうこともあります。
「次の通院くらい、一人で行ってくれないかな」
「毎回付き添わなくても大丈夫なのでは?」
「正直、もう仕事を休みたくない……」
そんなふうに思ったことはありませんか?
親の通院を毎回手伝うことが、必ずしも正解とは限りません。親の体調や理解力、通院先までの移動手段などに問題がなければ、一人で受診できる場合もあります。
大切なのは、無理に付き添いを続けることではなく、親が安全に通院できる方法を整え、家族が毎回仕事を休まなくても済む状態を作ることです。
この記事では、付き添いを減らせるケースや、反対に一人で通院させないほうがよいケース、家族の負担を減らす具体的な方法を紹介します。
親の通院付き添いは毎回必要なの?
結論からいうと、親が一人で安全に通院でき、診察内容や医師の説明を理解できるのであれば、家族が毎回付き添う必要はありません。
高齢だからという理由だけで、すべての通院に家族が同行しなければならないわけではないからです。
例えば、次のような状態なら、付き添いを減らせる可能性があります。
- 自宅から病院まで一人で移動できる
- バスや電車、タクシーを問題なく利用できる
- 受付や会計などの手続きを自分でできる
- 医師の説明を理解し、質問にも答えられる
- 薬の受け取りや服薬管理ができる
- 診察後に自宅まで安全に帰れる
ただし、これらはあくまで目安です。
普段は問題なく生活していても、病院では緊張してしまったり、医師から聞いた内容を忘れてしまったりすることもあります。
一度の通院だけで判断せず、親本人の状態や病院側の意見も確認しておきましょう。
毎回付き添わなくても大丈夫なケース5選
1.いつもの病院で定期的な診察を受けている
毎月同じ病院で血圧や持病の経過を確認しているなど、診察内容がある程度決まっている場合です。
親が自分の症状を説明でき、医師の話も理解できるのであれば、毎回家族が診察室まで同行しなくてもよい可能性があります。
例えば、普段の診察では親一人で受診してもらい、検査結果の説明や薬の変更がある日だけ家族が付き添う方法です。
ただし、医師から家族の同席を求められている場合や、病状に変化がある場合は、その指示を優先してください。
2.病院までの移動に問題がない
自宅から病院までの道順を覚えていて、徒歩や公共交通機関で安全に移動できる場合です。
特に、長年通っている近所のクリニックなら、親自身が通院に慣れていることもあります。
ただし、以前は問題なく歩けていた人でも、足腰の衰えや転倒の不安が出ている場合があります。
「いつも行っているから大丈夫」と決めつけず、最近の歩き方や移動中の様子も確認しておきましょう。
3.受付や会計などの手続きを自分でできる
病院に着いてから受付を済ませ、診察券や保険証の確認、会計、薬の受け取りまで自分でできる場合です。
最近は自動受付機や精算機を導入している病院もあります。
機械の操作に慣れていない親の場合、受付だけで戸惑ってしまうこともあるため、事前に操作方法を確認しておくと安心です。
4.医師の説明を理解して、自分で対応できる
通院で特に重要なのが、医師の説明を理解できるかどうかです。
薬の飲み方が変わったり、検査を受けることになったりした場合、内容を理解して自分で対応できる必要があります。
例えば、次のようなことを確認してみましょう。
- 医師から何を言われたか説明できる
- 薬が変更された場合、その内容を理解できる
- 次回の診察日を把握できる
- 体調に変化があった場合、医療機関に連絡できる
診察後に家族へ電話やメッセージで報告してもらう方法もあります。
ただし、重要な治療方針の説明や判断が必要な場面では、家族が同席したほうがよい場合もあります。
5.病院側も一人での受診に問題がないと判断している
家族としては付き添いを減らしたくても、親の病状や認知機能によっては一人での受診が難しいことがあります。
そのため、付き添いを減らす前に、病院へ確認しておくのがおすすめです。
例えば、次のように聞いてみましょう。
「普段の診察は本人だけで受けても問題ないでしょうか?」
「薬の変更や検査結果の説明があるときだけ、家族が同席すればよいでしょうか?」
「診察内容を家族に電話で共有していただくことはできますか?」
病院によって対応は異なりますが、事前に相談しておけば、毎回の付き添いを減らせる可能性があります。
反対に、親を一人で通院させないほうがよいケース
付き添いを減らしたいからといって、無理に一人で通院させるのは避けたいところです。
特に、次のような場合は慎重に判断してください。
認知症の症状があり、道に迷うことがある
病院までの道順を忘れたり、途中で目的地が分からなくなったりする場合です。
普段は近所を歩けていても、病院までの移動となると状況が変わることがあります。
受付や診察の予定を忘れてしまう可能性もあるため、家族や支援者の同行を検討しましょう。
医師の説明や薬の管理が難しい
診察で説明された内容を覚えていられない、薬の飲み方を間違える、薬を飲んだかどうか分からなくなるといった場合です。
薬の種類が多い人や、治療内容が頻繁に変わる人は特に注意が必要です。
転倒や体調悪化の危険がある
歩行が不安定だったり、途中で息切れやめまいが起きたりする場合は、一人での移動が危険になることがあります。
通院中に転倒してしまうと、かえって大きな問題になってしまいます。
検査や治療について重要な説明がある
手術の説明や治療方針の変更、検査結果の説明など、本人だけでは判断が難しい場面では、家族の同席が望ましいことがあります。
病院から付き添いを求められた場合も、理由を確認して対応しましょう。
仕事を休まずに済ませる!通院付き添いを減らす方法6選
親の通院に付き添うことが難しい場合、家族が毎回病院へ行く以外にも方法があります。
1.診察日を家族の都合に合わせてもらう
まずは、通院する曜日や時間帯を調整できないか病院に相談してみましょう。
例えば、土曜日の診療があるクリニックなら、仕事を休まずに付き添える可能性があります。
平日の診察しか受けられない場合でも、午前中の早い時間や午後の診療など、比較的都合のよい時間帯に変更できることがあります。
毎回同じ曜日に予約を入れられれば、仕事の予定も立てやすくなります。
2.診察室には入らず、送迎だけにする
病院までの移動は一人では難しいけれど、診察や会計は本人だけで対応できる場合です。
家族は病院まで送り届け、診察が終わったら連絡をもらう方法があります。
ただし、病院によっては家族の待機場所や付き添いのルールが異なります。親だけで診察を受けられるか、事前に確認しておきましょう。
3.兄弟や親戚に付き添いを頼む
自分だけが通院に付き添っているなら、兄弟や親戚にも協力をお願いしてみましょう。
「次の通院だけお願いできないかな?」と具体的に頼むのがポイントです。
LINE文例
来月の通院なんだけど、仕事の都合で私が付き添うのが難しくなっています。
毎回私が休むのも厳しくなってきたので、次回だけでも付き添いをお願いできないかな?
診察内容や必要な持ち物は事前にまとめておくね。
費用の分担だけでなく、通院の付き添いも家族で分担できると、負担を減らせます。
4.介護保険の通院介助を相談する
親が要介護認定を受けている場合は、担当ケアマネジャーに通院介助について相談してみましょう。
訪問介護では、一定の条件を満たす場合に「通院等乗降介助」などを利用できることがあります。
ただし、介護保険で対応できる範囲には決まりがあります。
病院までの移動や乗り降りの介助は対象になる場合がありますが、院内での待ち時間や診察への同席などが、すべて介護保険で利用できるわけではありません。
親の身体状況やケアプラン、自治体の取り扱いなどによって異なるため、利用前に必ず確認してください。
5.自費の通院付き添いサービスを利用する
介護保険だけでは対応しにくい場合は、自費の付き添いサービスを利用する方法もあります。
サービスによっては、次のような対応を依頼できます。
- 自宅から病院までの同行
- 受付や会計のサポート
- 診察室への同席
- 薬局での薬の受け取り
- 帰宅までの付き添い
- 診察内容の家族への報告
家族が仕事で休めない日だけ利用することも考えられます。
ただし、サービスによって対応範囲や料金が異なります。医療的な判断や処置が必要な場合は、看護師などの専門職による同行が必要になることもあります。
利用前に、料金だけでなく、病院内の付き添いや診察内容の共有まで対応しているか確認しましょう。
6.訪問診療に切り替えられないか相談する
通院そのものが親の負担になっている場合は、訪問診療という選択肢もあります。
訪問診療は、医師が計画的に自宅を訪問して診察する仕組みです。
足腰が弱くなり外出が難しい場合や、通院の負担が大きい場合には、主治医に相談してみる価値があります。
ただし、すべての病気や検査に対応できるわけではありません。専門的な検査や治療が必要な場合は、医療機関への通院が引き続き必要になることもあります。
親に「一人で行って」と伝えるときのLINE・会話例
付き添いを減らしたいと思っても、親に直接「もう付き添わない」と伝えるのは難しいものです。
親によっては、見放されたように感じてしまうかもしれません。
そのため、最初から付き添いをやめるのではなく、少しずつ本人だけでできることを増やす伝え方がおすすめです。
例1:いつもの診察だけ一人で行ってもらいたい
次のいつもの診察だけど、先生の話もいつもと同じような確認なら、一度一人で行ってみない?
終わったら電話でどんな話だったか教えてね。何かあれば次は一緒に行くから。
例2:仕事の都合で付き添えないとき
次の通院の日はどうしても仕事を休めなくなってしまったんだ。
病院には事前に一人で受診できるか確認してみるね。難しそうなら、別の付き添い方法も考えるから相談しよう。
例3:付き添いを少しずつ減らしたいとき
毎回一緒に病院へ行くのも大変になってきたから、これからはいつもの診察は一人で行けるようにしていきたいと思っているんだ。
検査や大事な説明がある日は一緒に行くから、まずは先生にも相談してみよう。
親の気持ちを無視して一方的に決めるのではなく、本人が安心して通院できる方法を一緒に考えることが大切です。
付き添いを減らす前に確認しておきたいこと
最後に、実際に付き添いを減らす前に確認したいポイントをまとめます。
- 親は一人で病院まで移動できるか
- 受付や会計の手続きを理解できるか
- 医師の説明を理解し、必要なことを伝えられるか
- 薬の管理や次回の予約を自分でできるか
- 病院は一人での受診を認めているか
- 緊急時に家族へ連絡できるか
- 付き添いが必要な日は誰が対応するか
これらを確認しておけば、付き添いを減らした後のトラブルも防ぎやすくなります。
まとめ|毎回付き添わなくてもいい方法を考えよう
親の通院に毎回付き添うことは、仕事や家庭との両立を考えると大きな負担になります。
しかし、親の状態によっては、毎回家族が同行しなくても受診できる場合があります。
まずは親本人の移動能力や理解力を確認し、病院にも一人で受診できるか相談してみましょう。
一人での通院が難しい場合でも、兄弟への依頼、通院介助、自費の付き添いサービス、訪問診療など、選択肢はあります。
親の通院を大切にすることと、家族が毎回仕事を休むことは同じではありません。
無理をして付き添いを続けるのではなく、親が安全に受診できる方法を整えながら、自分の仕事や生活も守っていきましょう。

