アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』が地上波で放送され、注目が集まっているのが、主人公たちの前に立ちはだかる強敵――上弦の陸・堕姫(だき)と妓夫太郎(ぎゅうたろう)の鬼兄妹です。
2人は、兄妹でありながらひとつの鬼として存在し、絶妙な連携と執念深さで柱・宇髄天元や炭治郎たちを苦しめます。
しかし、その残虐さの裏には、あまりにも過酷な人間時代の運命と、深い絆が隠されていました。
この記事では、堕姫と妓夫太郎が鬼になった理由、兄妹の過去、そして最後に交わした言葉についてご紹介します。
遊郭の最底辺に生まれた兄妹
妓夫太郎は、花街の最も貧しい「最下層」地域に生まれました。
外見は醜く、幼い頃から「気味が悪い」「疫病神」と忌み嫌われ、暴力と差別にさらされながら生きてきた少年でした。
そんな中、唯一の救いだったのが、妹の「梅(うめ)」(堕姫の人間時代の名前)です。
梅は非常に美しく、幼くして遊郭の「禿(かむろ)」として将来を嘱望されるほどでした。
妓夫太郎にとって梅は「誇り」であり、「希望」そのものでした。
あまりにも残酷な事件
しかし、ある日梅は、客の目を簪(かんざし)で突いたことで処罰され、生きたまま火に焼かれるという非道な目に遭います。
妓夫太郎が帰宅したときには、梅は瀕死の状態で倒れており、その姿を見た妓夫太郎は発狂。
犯人を惨殺し、妹を背負って逃げますが、2人とも既に虫の息でした。
鬼になる決断
そこに現れたのが、当時すでに鬼であった「童磨(どうま)」です。
彼の血を与えられた2人は、人間として死ぬ運命から逃れ、「鬼」として生きる道を選びます。
その瞬間から、妓夫太郎と梅は「堕姫と妓夫太郎」として、上弦の鬼として人間を襲い続けるようになったのです。
終始一貫した兄の愛
妓夫太郎は、鬼となった後も妹を最優先に行動します。
自分の命よりも妹の存在を重く見ており、「お前さえいなければもっといい人生だった」と言われながらも、彼にとって梅は何よりも大切な存在でした。
妹のためなら命を捨ててもいい、そんな狂気にも似た愛が、彼の行動の原動力だったのです。
最期のシーンで明かされる兄妹の絆
宇髄たちとの激闘の末、2人は敗北を迎えます。
戦いが終わり、堕姫の人格が消えかけていたとき、妓夫太郎は「一緒に地獄に行こう」と語りかけます。
最初は「もうあなたなんて嫌いよ!」と突き放すように言う堕姫でしたが、最終的には幼い頃と同じように泣きながら兄の背にしがみつき、「ごめんなさい」「一緒に行く」と再び手を取り合う姿が描かれます。
地獄の中で、2人は最後まで兄妹であり続ける道を選びました。
まとめ:堕姫と妓夫太郎は、報われなかった“哀しい命”
表面的には残虐非道な鬼兄妹に見える堕姫と妓夫太郎。
しかし、その行動の根底には、理不尽な差別と貧困の中で育ち、愛する家族を守るために戦い続けた兄妹の絆がありました。
彼らの過去を知ったとき、「もし別の環境で育っていれば、違う人生を歩めたのでは」と思わずにはいられません。
遊郭編を観る際は、鬼としての2人だけでなく、人間だった頃の“梅と妓夫太郎”としての物語にも注目してみてください。
彼らの戦い方や言動が、より一層深く胸に響いてくるはずです。
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