テレビ番組「タモリ倶楽部」や「出没!アド街ック天国」などでおなじみの編集者で評論家の山田五郎氏(66)が、「原発不明がん ステージ4B」で闘病中であることを公表しました。リンパ節や骨への転移、そして腰椎の圧迫骨折という深刻な状態の中で、抗がん剤治療を続けながら活動を続けています。
10月7日には「第17回 伊丹十三賞」の贈呈式に姿を見せ、やや痩せたものの笑顔でスピーチ。重い病状の中でも「食べているうちは死なない」と前向きな言葉を口にし、多くのファンに希望を与えました。
本記事では、山田氏の病状の経過、現在の体調、そして一部で話題となっている“喫煙との関係”について詳しくまとめます。
■ 原発不明がんとは? 見つからない「がんの発生源」
山田五郎氏が公表したのは「原発不明がん ステージ4B」という診断です。
「原発不明がん」とは、がんが体内の複数の場所に転移しているものの、最初にがんが発生した“原発”の部位が特定できない状態を指します。
医学的には全がん患者のうち1〜5%程度がこのタイプに該当するとされ、治療の難しさが知られています。原発部位が不明なため、肺がんや肝臓がんなどに用いられる特定の抗がん剤が選べず、より一般的な化学療法を行うしかないケースも多いのです。
山田氏もこのタイプに該当し、「どこからがんが始まったのかは分からないが、すでに骨やリンパに広がっていた」と説明しています。
■ 骨への転移で腰椎圧迫骨折 手術は不可能に
発見のきっかけは「ぎっくり腰」でした。
山田氏は当初、腰痛を単なる疲れや筋肉痛と思っていましたが、精密検査でがんが骨に転移しており、腰の骨(腰椎)を圧迫して骨折していたことが判明したといいます。
すでにがんが広範囲に転移していたことから、外科的な手術は不可能と診断され、抗がん剤による治療に切り替えたといいます。
本人は「手術できない状況だが、食欲もあり、日常生活は送れている」と前向きに語り、「抗がん剤を使いながら仕事を続ける」と闘病と活動の両立を宣言しました。
■ 体重の変化と抗がん剤の副作用
公表時、山田氏は「がんで10キロほど体重が減った」と明かしています。
しかし、伊丹十三賞の贈呈式では「この1か月で3キロほど体重が戻った」と笑顔を見せました。
「喜んで食べることができている。食べているうちは死なない」と語る姿は、病と闘う中でもユーモアを忘れない山田氏らしい言葉でした。
抗がん剤の副作用としては、髪の毛がまばらに抜ける症状が出ており、自身で「みっともないから丸刈りにしている」と明かしています。薬をやめればまた髪が生える見込みもあるそうで、過酷な治療の中でも冷静さと明るさを保っている様子がうかがえます。
■ 喫煙との関係は? 過去の“愛煙家”発言も
がん公表後、一部の視聴者の間では「喫煙は関係あるのか?」という疑問も上がっています。
山田五郎氏は過去のインタビューで、「愛用のタバコはハイライト」と語っていたことがあり、長年の愛煙家として知られていました。
ただし、本人は今回の病気に関して「喫煙が原因」との発言はしておらず、医師からも明確に関連を指摘されたわけではありません。
医学的には、喫煙は肺がん・喉頭がん・膀胱がんなどのリスクを高めるとされています。しかし山田氏のような「原発不明がん」は、どの臓器からがんが発生したかが不明なため、喫煙の影響を直接結びつけることは困難です。
それでも、がんの治療中は免疫力が落ちやすいため、喫煙を控えることが推奨されています。現在、山田氏が禁煙しているかは明言されていませんが、体調を考慮し、治療に専念していると見られます。
■ 闘病を支える家族と仕事への情熱
贈呈式では「今日は娘の結婚式以来、モーニングを着た」と語った山田氏。
家族の支えや周囲の温かい励ましを受けながら、闘病生活を送っているようです。
「痩せたからズボンを詰めたけど、最近また腹が出てきてちょっときついくらい」と笑いを交えて話す姿に、関係者やファンからは「希望をもらえる」「ユーモアの力で病を乗り越えている」といった声が上がっています。
また、自身のYouTube番組『山田五郎 オトナの教養講座』では、美術や文化を独自の視点で解説しており、病と闘いながらも収録を続けています。選考委員からも「彼の番組には発見がある」と高く評価され、「伊丹十三賞」受賞理由の一つに挙げられました。
■ 今後の展望とメッセージ
山田氏は受賞スピーチで「長生きはするものだと思いました」と語りました。
これは単なる冗談ではなく、「がんであっても人生を楽しむ」という強い意志の表れでしょう。
がんの進行を止めることは容易ではありませんが、最近では抗がん剤治療の副作用も軽減され、食事や仕事を続けられる患者も増えています。山田氏も「飯が食えるうちは大丈夫」と笑い飛ばしながら、今できることを一つずつ続けているのです。
その姿勢は、同世代のがん患者や家族にとっても励みになるものです。
■ まとめ:希望をつなぐ闘病の言葉
・病名:原発不明がん(ステージ4B)
・転移部位:骨・リンパ節など
・治療法:抗がん剤(手術は困難)
・体重:63.8kg(闘病中に10kg減→3kg回復)
・喫煙歴:あり(ハイライトを愛用していた)
・メッセージ:「食べてるうちは死なない」
深刻な状況の中でも前を向く山田五郎氏。
その強さとユーモアは、多くの人に勇気を与え続けています。