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給付付き税額控除とは?減税と給付を組み合わせた新制度を解説

高市早苗首相は2026年1月11日、NHKの番組に出演し、社会保障改革をめぐって「給付付き税額控除の制度設計を含めた、社会保障と税の一体改革をスピード感をもって検討したい」と語りました。
首相は、超党派による「国民会議」を1月中に開催する考えを示しており、今後の日本の税と社会保障のあり方を大きく左右する議論が始まろうとしています。

一方で、「給付付き税額控除」という言葉自体は聞いたことがあっても、具体的にどのような制度なのか、私たちの生活にどんな影響があるのかを理解している人は多くありません。
この記事では、給付付き税額控除の基本的な仕組みから、導入が検討される背景、メリット・デメリット、今後の論点までを、初めての人にもわかるように詳しく解説していきます。




給付付き税額控除とは何か

給付付き税額控除とは、税金を減らす「税額控除」と、現金を支給する「給付」を組み合わせた制度です。

通常の税額控除は、所得税や住民税を納めている人が対象となります。
しかし、低所得者や非課税世帯の場合、そもそも支払う税金が少ない、あるいはゼロであるため、控除の恩恵を十分に受けられません。

給付付き税額控除では、次のような仕組みが採られます。

つまり、「税金を減らす」だけで終わらず、「減らしきれない人には直接お金が届く」制度なのです。


従来の減税や給付金との違い

これまで日本では、家計支援策として主に次の方法が取られてきました。

しかし、これらには共通した課題があります。

一律給付金は、低所得者だけでなく高所得者にも同額が配られるため、財政効率が悪いと指摘されてきました。
また、減税政策は、税金を多く納めている人ほど恩恵が大きく、本当に支援が必要な層に届きにくいという問題があります。

給付付き税額控除は、これらの欠点を補う仕組みとして位置づけられています。


具体例で見る給付付き税額控除

制度をイメージしやすくするため、簡単な例を見てみましょう。

税金を十分に納めている人の場合

→ 支払う税金は 4万円 になります。

税金がほとんどない人の場合

→ 控除しきれない 6万円が給付として支給 されます。

このように、所得水準に応じて自動的に調整される点が、この制度の大きな特徴です。


なぜ今、給付付き税額控除が注目されているのか

高市首相がこの制度に言及した背景には、日本社会が抱える複数の構造的課題があります。

① 物価高による生活圧迫

食料品や光熱費の上昇は、所得が低い世帯ほど影響が大きくなります。
従来の減税ではカバーしきれない層への支援が求められています。

② 社会保障費の持続可能性

少子高齢化により、年金・医療・介護などの支出は増え続けています。
給付付き税額控除は、社会保障と税を一体で設計する制度として検討されています。

③ 「働く人」を支える政策への転換

海外では、就労を前提とした給付付き税額控除が、労働意欲の維持にも役立つとされています。


海外の導入事例

給付付き税額控除は、すでに多くの国で導入されています。

特にアメリカでは、子育て世帯や低所得の勤労者を中心に、生活の下支えとなる制度として定着しています。


給付付き税額控除のメリット

ここからは、制度導入によって期待されるメリットを整理します。

① 本当に困っている人に届きやすい

所得に応じて支援額が調整されるため、低所得者や非課税世帯にも確実に支援が届きます。

② 一律給付より財政効率が高い

高所得者への過剰な給付を抑えられ、限られた財源を有効に使えます。

③ 働く意欲を損ねにくい

就労と連動した設計にすれば、「働くと損をする」という逆転現象を防げます。

④ 税と社会保障を一体で考えられる

税制と給付制度を分断せず、包括的に設計できる点は大きな利点です。


給付付き税額控除のデメリット・課題

一方で、導入にあたっては慎重な検討が必要な課題もあります。

① 制度が複雑になりやすい

所得把握や給付計算が複雑になり、国民にとってわかりにくくなる恐れがあります。

② 事務コストの増加

給付と税の管理を一体化するため、行政コストが増える可能性があります。

③ 不正受給のリスク

所得申告の正確性をどう確保するかが重要な課題となります。

④ マイナンバー制度との連携問題

制度運用には、個人情報管理の信頼性も問われます。


高市首相の発言と今後の政治の動き

高市首相は、社会保障改革を議論する「国民会議」を1月中に開催すると表明しました。
この場で、給付付き税額控除を含む「社会保障と税の一体改革」が本格的に議論される見通しです。

また、番組では中国政府による日本向け輸出規制強化を「国際的な慣行とは大きく異なる」と批判し、
自民党と日本維新の会の連立枠組み拡大についても「政治の安定」を重視する姿勢を示しました。

一方、23日召集予定の通常国会での衆院解散・総選挙については明言を避けています。


まとめ|給付付き税額控除は暮らしをどう変えるのか

給付付き税額控除は、
「減税」と「給付」を組み合わせることで、より公平な支援を目指す制度です。

導入されれば、

につながる可能性があります。

一方で、制度設計を誤れば複雑化や不公平感を招く恐れもあります。
高市政権が掲げる「スピード感」と「丁寧な制度設計」が、どこまで両立できるのかが、今後の最大の焦点となりそうです。

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