紳士服業界で、大きな変化が起きました。
これまで長年トップを維持してきた青山商事を抜き、AOKIホールディングス(HD)が初めて売上高で首位に立ったことが明らかになりました。
2026年3月期の連結決算によると、AOKI HDの売上高は前期比1%増の1945億円。一方、青山商事は3%減の1890億円となり、ついに順位が逆転する形となりました。
「なぜAOKIが逆転できたの?」「スーツ業界に何が起きているの?」と気になる人向けにまとめました。
AOKIが青山商事を逆転した理由は?
今回の逆転劇には、AOKIの事業戦略が大きく影響しているようです。
AOKIは、従来のスーツ販売だけに依存せず、事業の幅を広げてきました。
特に好調だったのが以下の分野です。
- カジュアル衣料の強化
- ブライダル事業の成長
- ORIHICA(オリヒカ)の展開拡大
AOKIのファッション事業では、スーツ以外のカジュアル商品を強化。オフィスカジュアル需要や私服通勤の広がりに対応したことが売上維持につながったとみられます。
また、グループのアニヴェルセル・ブライダル事業も好調で、法人宴会需要などを取り込み、売上増に貢献しました。
つまりAOKIは、「スーツだけの会社」からの脱却が進んでいたわけですね。
青山商事はなぜ苦戦した?
一方で、青山商事は主力のメンズスーツ販売が伸び悩みました。
発表によると、
- メンズスーツ販売が前年割れ
- 既存店売上高が通期で4%減
となっています。
コロナ禍以降、
- リモートワーク普及
- オフィスカジュアル化
- 私服勤務の増加
などにより、以前ほど「毎日スーツ必須」という働き方ではなくなりました。
その結果、スーツ需要そのものが縮小していると考えられます。
青山商事も新ブランド「みんなのスーツ」などで新規顧客開拓を進めていますが、今回はAOKIに一歩及ばなかった形です。
スーツ業界はどう変わっている?
今回の首位交代は、単なる企業同士の競争だけではなく、スーツ業界そのものの変化を象徴しているともいえそうです。
以前は、
- 就活
- 通勤
- 営業職
などでスーツ需要が安定していました。
しかし現在は、
- ジャケットだけ
- セットアップ
- カジュアル寄りビジネス服
など、より柔軟な服装が増えています。
そのため、「スーツ専門店」よりも、幅広いビジネスカジュアルに対応できる企業の方が強くなっている印象です。
ORIHICA(オリヒカ)が伸びている理由は?
AOKIが今後も首位維持を見込む背景には、若者向けブランドORIHICA(オリヒカ)の存在もあります。
ORIHICAは、
- 若年層向けデザイン
- ビジカジ対応
- 比較的手に取りやすい価格帯
が特徴です。
AOKI HDは2027年3月期に、ORIHICAを12店舗新規出店する計画も明らかにしています。
若年層やオフィスカジュアル需要を取り込みたい狙いが見えますね。
今後もAOKIが首位維持?
AOKI HDは2027年3月期について、
- 売上高:2000億円
- 純利益:100億円
を見込んでいます。
一方、青山商事も売上回復を目指していますが、現時点ではAOKIが首位維持の見通しです。
長年続いた「紳士服=青山」という構図に変化が起きているのは、かなり象徴的な出来事かもしれません。
まとめ
AOKIが青山商事を初めて売上高で逆転した背景には、
- カジュアル衣料強化
- ブライダル事業好調
- ORIHICA拡大
といったスーツ以外への事業拡大がありました。
一方で青山商事は、
- メンズスーツ低迷
- 既存店売上減少
など、従来型ビジネスモデルの厳しさが見えています。
今回の首位交代は、単なる企業ランキング以上に、スーツ業界そのものが変わっていることを感じさせるニュースとなりました。

