東京都西東京市で母親と子ども3人、あわせて4人が死亡しているのが見つかった事件をめぐり、捜査は新たな局面を迎えました。警視庁は23日、母親名義で契約されていた東京都練馬区のマンションの一室から、27歳の男性会社員の遺体が発見されたと発表しました。男性の遺体には複数の刺し傷や切り傷が確認されており、警視庁は殺害された可能性が高いとみて、2つの事件の関連を詳しく調べています。
■ 西東京市で起きた「母子4人死亡」事件の概要
事件が発覚したのは12月19日夜です。
東京都西東京市北町の住宅で、この家に住む母親と子ども3人が意識不明の状態で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で全員の死亡が確認されました。
亡くなったのは、
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母親:野村由佳さん(36)
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長男:高校1年生(16)
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次男:小学5年生(11)
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三男:小学4年生(9)
住宅は施錠されており、第三者が侵入した形跡は確認されていませんでした。このため警視庁は、野村さんが無理心中を図った可能性が高いとみて捜査を進めていました。
■ 練馬区マンションで発見された男性遺体
その捜査の過程で、新たに浮上したのが練馬区のマンションです。
22日午後7時15分ごろ、警視庁の捜査員が練馬区南田中にあるマンションの一室を捜索したところ、寝室のクローゼット内から男性の遺体が発見されました。
遺体で見つかったのは、
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中窪新太郎さん(27・会社員)
遺体はすでに腐敗が進んでおり、太ももや背中などに十数カ所の刺し傷や切り傷が確認されています。現場のリビングからは、牛刀のような刃物も見つかっていました。
■ マンションは母親名義で契約、男性が居住
警視庁によりますと、このマンションは野村由佳さん名義で今年3月から契約されていました。一方で、実際に部屋に住んでいたのは中窪さん1人だったとされています。
野村さんと中窪さんは数年来の知人関係とみられており、警視庁は2人の関係性や金銭面のやり取り、生活実態などを慎重に調べています。
また、クローゼットは目張りされていた状態で、遺体が隠されるような形だったことから、殺害後に遺体を隠した可能性も視野に入れた捜査が行われています。
■ 男性は母子4人死亡事件より前に死亡か
捜査関係者によると、中窪さんは母子4人が死亡するより前に殺害された可能性が高いとみられています。
この点が事実であれば、
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男性が殺害される
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その後、野村さんと子ども3人が自宅で死亡
という時系列が浮かび上がることになります。
警視庁捜査1課は、
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中窪さんが殺害された経緯
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野村さんが事件にどの程度関与していたのか
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2つの事件がどのようにつながっているのか
といった点を重点的に調べています。
■ 背景に何があったのか 今後の捜査の焦点
現時点では、動機や詳しい経緯については明らかになっていません。ただし、
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母親名義で別のマンションを借りていたこと
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知人男性がそこに住み、殺害されたとみられること
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その後、母子4人が自宅で亡くなっていること
これらの点から、生活や人間関係、精神的・経済的な問題を抱えていた可能性も否定できません。
警視庁は今後、
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遺体の詳しい死因や死亡時期の特定
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野村さんの行動履歴や交友関係
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マンションや自宅周辺の防犯カメラ解析
などを進め、事件の全容解明を目指すとしています。
■ まとめ
西東京市で発覚した母子4人死亡事件は、練馬区のマンションで見つかった男性遺体の存在により、単独の無理心中事件ではない可能性が浮上しました。
2つの事件がどのように結びつくのか、今後の警視庁の捜査発表が注目されます。
新たな事実が判明し次第、続報が待たれる状況です。
