17日、東京都内で「日本プロスポーツ大賞」の表彰式が行われ、米大リーグ・ドジャースの山本由伸投手が最高栄誉である大賞に輝きました。ワールドシリーズ連覇に貢献し、日本人初のWS最優秀選手(MVP)を獲得した圧倒的な実績が評価されました。しかし、ファンの注目は受賞の喜びよりも、彼が口にした「WBC出場」への意欲と、それに伴う「体調不安」という切実な問題に集まっています。
ワールドシリーズMVPでも「休めない」!山本由伸を動かすWBCへの執念
山本投手は会見で、来春のWBC出場について「プレーできれば一番いい」と前向きな姿勢を見せました。メジャーでの激闘を終えた直後、疲労の色を見せてもおかしくない場面ですが、あえて意欲を語った背景には、ドジャースでの成功を支えてくれた日本のファンへの「恩返し」があります。
大手が報じない視点として、ドジャース球団側との「水面下の調整」があります。球団にとって、3億2500万ドルの投資対象である山本投手を、怪我のリスクがある国際大会に出すのは本音では避けたいはず。それでも山本投手が「11月はゆっくり過ごせた」と強調したのは、球団と日本のファンの双方を納得させるための、彼なりの繊細な気遣いと言えるでしょう。
井上尚弥が「殊勲賞」どまり?豪華メンバーゆえの「大賞争い」の激戦
今回の殊勲賞には、ボクシング主要4団体統一王者の井上尚弥選手や、車いすテニスの小田凱人選手、上地結衣選手といった、他ならぬ「世界一」たちが名を連ねました。
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井上尚弥: 階級最強を証明し続けるモンスター。
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小田凱人: 史上最年少で生涯ゴールデンスラムを達成。
これほどの実績がありながら、山本投手が大賞に選ばれた理由は、やはり「メジャーリーグでのMVP」という社会的インパクトの大きさです。日本プロスポーツ界において、米国の頂点で最高評価を受けることがいかに別格視されているか。今回の選出は、競技の壁を超えた「山本由伸という現象」への称賛でもあります。
最高新人賞・安青錦の「スピード昇進」が示唆する角界の地殻変動!
大相撲からは、九州場所で初優勝し一気に大関まで駆け上がった安青錦が最高新人賞に選ばれました。大手が「若手の台頭」と一括りにする中で注目すべきは、彼が「外国出身力士」として、既存の日本人力士を圧倒するスピードでトップ戦線に食い込んだ点です。プロスポーツ大賞が彼を選んだことは、伝統ある相撲界が今、真の意味で国際的な実力至上主義へとシフトしている象徴的な出来事です。
栄光の表彰式の陰で、過密日程が日本の宝を壊さないか?
受賞した選手たちの共通点は、全員が「年間を通して休んでいない」ことです。山本投手はWBC、井上選手は次なる防衛戦、小田選手は次なる四大大会。
「日本を元気に」という言葉の裏で、選手たちの肉体は悲鳴を上げています。特に山本投手のWBC参戦は、ドジャースでの3年目以降のパフォーマンスにどう影響するのか。ファンとしては嬉しい反面、日本の宝を使い潰してしまわないかという一抹の不安が、この華やかな表彰式の会場に微かに漂っていました。
