親の通院費や介護用品代、食事代。必要だから自分が支払ってきたのに、兄弟に費用の話をすると「親のためなんだから、あなたが払えば?」と言われてしまう。
そんな状況が続けば、納得できない気持ちになりますよね。
親のために使ったお金とはいえ、自分の生活費にも限りがあります。介護は一度始まると、毎月のように支出が続くこともあります。
ただ、兄弟に「払って」と伝えるだけでは、話がこじれてしまうことも。大切なのは、何にいくら使ったのかを整理し、今後どう分担するかも含めて具体的に伝えることです。
この記事では、立て替えた介護費用を兄弟に負担してもらいたいときの伝え方を、LINEの文例とともに紹介します。話し合いが進まない場合の対応や、これ以上一人で立て替えないための方法もまとめました。
まず確認|立て替えた介護費用は兄弟に請求できる?
親の介護費用を自分が立て替えた場合、兄弟にその分を請求できるのでしょうか。
ここは、少し注意が必要です。
兄弟姉妹には、法律上、互いに扶養する義務が定められています。ただし、それだけで「介護費用は兄弟で必ず均等に負担する」「自分が立て替えた金額を兄弟に当然請求できる」と決まるわけではありません。
費用の分担は、親本人の収入や財産、必要な支援、兄弟それぞれの経済状況などによって異なります。
また、立て替えた費用についても、事前に兄弟間で分担を決めていたのか、親本人のために必要な支出だったのかなどが重要になります。
そのため、最初から「法律で決まっているから払って」と伝えるよりも、まずは支出の内容を共有し、分担について話し合うことが現実的です。
兄弟が立て替え分を払ってくれない理由
兄弟が費用を負担してくれないとき、単に払いたくないだけとは限りません。
例えば、次のような理由が考えられます。
- 介護にどのくらいお金がかかっているか知らない
- 親の年金や預貯金で払えると思っている
- 自分にも住宅ローンや子育てなどの支出がある
- 介護をしている人が費用も負担するものだと思っている
- そもそも兄弟間で費用分担の話をしていない
もちろん、理由があるからといって、あなたが負担を抱え続けなければならないわけではありません。
まずは「払ってくれない」と責める前に、相手がどのように考えているのかを確認し、話し合いの土台を作りましょう。
立て替え分を返してもらうためのLINE文例
ここからは、兄弟に費用をお願いするときに使える文例を紹介します。金額や続柄は、実際の状況に合わせて書き換えてください。
1.まずは立て替えた費用を共有する
これまで費用の話をしていなかった場合は、いきなり返金を求めず、まずは支出を共有します。
LINE文例
お母さんの介護にかかった費用について、一度共有させてください。
これまで通院費や介護用品代などを私が立て替えていて、合計○円になっています。
何に使ったか分かるようにまとめたので、確認してもらえるかな?
今後も費用がかかると思うので、これからの分担についても一度相談したいです。
この段階では、相手にすぐ支払わせることよりも、費用が発生している事実を共有することが目的です。
2.具体的な金額を負担してほしいとき
すでに兄弟間で分担する話が出ていた場合や、具体的な負担額を相談したい場合は、金額を明確にします。
LINE文例
先月までに立て替えた介護費用をまとめました。
合計○円で、内訳は通院費・薬代・介護用品代などです。
親のお金から出せる分を確認したうえで、不足分について兄弟で分担できないかと思っています。
まずは○円を負担してもらうことはできるかな?難しい場合は、どう分けるか相談したいです。
「○円払ってほしい」と伝える場合は、金額の根拠も一緒に示しましょう。
親本人の収入や預貯金から支払える費用があるかどうかも確認し、子どもが負担する必要がある金額を整理しておくことが大切です。
3.「親のためなんだから、あなたが払えば?」と言われたとき
この言葉を聞くと、腹が立つかもしれません。
ただ、感情的に言い返すと、介護費用の話そのものが進まなくなることがあります。
LINE文例
お母さんのために必要な費用なのは、私も分かっています。
ただ、今のところ私が立て替えることが続いていて、このまま一人で負担し続けるのは難しいです。
親のお金で足りない分をどう分担するか、一緒に考えてもらえないかな?
お金での負担が難しければ、通院の付き添いや手続きなど、別の形で協力してもらうことも相談したいです。
相手の言い分をいったん受け止めたうえで、「自分だけでは続けられない」という事実を伝えます。
4.「今はお金がない」と断られたとき
兄弟にも経済的な事情がある場合、同じ金額を負担してもらうのが難しいこともあります。
LINE文例
今はお金を出すのが難しいということは分かりました。
ただ、私も今の負担をずっと続けるのは難しいです。
毎月の金額を少し調整する方法や、通院の付き添い・手続きなどを分担する方法も考えたいです。
どこまでなら協力できそうか、一度話し合えないかな?
相手の事情を聞きながらも、すべてを自分が引き受ける形にしないことが大切です。
5.返信がない・話し合いを避けられるとき
何度連絡しても返事がない場合は、いつまでに話し合いたいのかを明確に伝えます。
LINE文例
介護費用の分担について、前に送った内容をもう一度確認させてください。
今後も支払いが続くため、私だけで立て替えるのは難しいです。
○日までに一度、今後の分担について考えを聞かせてもらえないかな?
LINEで話すのが難しければ、電話やオンラインで話す時間を作りたいです。
期限を設けるのは、相手を追い詰めるためではありません。いつまでに方針を決めたいのかを明確にするためです。
兄弟に費用をお願いする前に、準備しておきたいこと
「これだけ払ったのだから、返してほしい」と伝える前に、支出の内容を整理しておきましょう。
1.立て替えた費用の一覧を作る
通院費や介護用品代など、何にいくら使ったのかを一覧にします。
| 日付 | 支出内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 10月3日 | 通院費 | ○円 |
| 10月5日 | 介護用品代 | ○円 |
| 10月8日 | 食事・日用品 | ○円 |
| 合計 | ○円 |
レシートや領収書が残っていれば、あわせて保管してください。
2.親本人のお金から払える分を確認する
親の年金や預貯金から支払える費用がある場合、まずは親本人のために使えるお金を確認します。
親のお金を使う場合も、本人の意思や財産管理の状況に注意し、支出内容を記録しておきましょう。
親本人のお金でまかなえない分が明確になれば、兄弟との分担の話もしやすくなります。
3.今後の費用も見積もっておく
過去の立て替え分だけでなく、今後どのくらい費用がかかりそうかも整理しておくと、話し合いが一度で終わりにくくなります。
例えば、毎月の通院費や介護用品代、介護サービスの利用料などです。
「先月分を払ってほしい」だけでなく、「これからは毎月どう分担するか」まで相談できると、同じ問題が繰り返されにくくなります。
これ以上、自分だけで立て替えないためには?
介護費用の立て替えが続いている場合、今後の支払い方法も見直しましょう。
支払い前に兄弟へ共有する
大きな支出が発生する場合は、事前に兄弟へ連絡し、費用や分担について確認しておきます。
「あとで請求する」よりも、支払い前に共有したほうが、認識の違いを防ぎやすくなります。
親の支出と自分の支出を分ける
親の介護費用を自分の口座やカードで支払う場合は、親のための支出であることが分かるように記録します。
自分の買い物と混ざらないようにすることで、後から兄弟に説明しやすくなります。
お金以外の役割も分担する
兄弟が金銭的な負担をするのが難しい場合は、通院の付き添いや手続き、介護サービスの調査などを担当してもらう方法もあります。
ただし、お金での負担が難しいことを理由に、すべての介護の負担が自分に集中する必要はありません。何を誰が担当するのか、具体的に話し合いましょう。
話し合いがまとまらない場合は、第三者に相談する
兄弟間で何度話し合っても解決しない場合は、家族だけで抱え込まず、第三者への相談も検討してください。
親の介護やサービス利用については、地域包括支援センターや担当ケアマネジャーに相談できます。
立て替えた費用の返還や、兄弟間での金銭トラブルについては、弁護士など法律の専門家に相談する方法もあります。
家庭裁判所には、扶養に関する費用や方法について話し合うための調停手続きもあります。ただし、どの手続きが適切かは、事前の合意や親本人の状況、費用の内容などによって異なります。
まとめ|立て替えた費用は、金額と今後の分担をセットで伝える
親のために使ったお金を兄弟が負担してくれないと、納得できない気持ちになるのは自然なことです。
ただし、立て替えた費用を兄弟に当然請求できるとは限らないため、まずは支出の内容や親本人のお金の状況を整理することが大切です。
兄弟に伝えるときは、次の点を意識しましょう。
- 何にいくら使ったのかを具体的に共有する
- 親本人のお金から出せる分を確認する
- 兄弟にお願いしたい金額を明確にする
- 相手の事情も聞きながら、分担方法を相談する
- 今後の支払いについても、事前に話し合う
介護は長く続く可能性があります。自分だけが立て替え続ける前に、費用と役割を整理し、兄弟で分担できる形を作っていきましょう。

