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【世界一】愛媛 宇和島出身の20歳長岡健心選手が優勝!形柔道って何?

武道の真髄に迫る!宇和島出身の長岡健心選手(20)が形柔道世界選手権でU21固の部を制覇!

愛媛県宇和島市三間地域出身の長岡健心選手(20)=鹿屋体育大学所属=が、今年11月にフランスのパリで開催された世界形柔道選手権の21歳未満の固(かため)の部で、見事に優勝を果たし、世界一の栄冠を手にしました。

この歴史的な快挙は、長岡選手の地元である宇和島市役所に懸垂幕が掲げられるなど、地域に大きな歓喜をもたらしています。しかし、一般的に知られる競技柔道とは異なる「形柔道」とは、一体どのような競技なのでしょうか?その哲学、審査基準、そして長岡選手が世界を制した技術と精神性に深く迫ります。



【徹底解説】形柔道とは?武道の「理合」と「美」を競う

形柔道は、柔道において最も根源的かつ重要な要素の一つであり、単なる組手や試合の技術を超越した、武道の哲学と美意識を表現する競技です。

1. 柔道の創始者が定めた「原理原則」

形柔道は、柔道の創始者である嘉納治五郎師範が、柔術の各流派から優れた技術を集め、「精力善用」「自他共栄」の精神に基づいて近代柔道へと体系化する際に、その技術の理合(原理原則)を伝えるために定めた「型」を演武するものです。

形は、技の正しいかけ方、受け方、そして体全体の使い方である「体捌き」を学ぶための教科書であり、柔道の精神を継承するための手段と位置づけられています。

2. 競技としての特殊性:二人一組の「協調」

形柔道の競技は、必ず二人一組で行われます。

二人は、予め決められた順序と技で構成された一連の動作を演武します。これは、単に個人技を競うのではなく、二人一組でいかに「息の合った、完成度の高い物語」を表現できるかが勝負となります。取と受の相互の信頼関係と協調性が、形の評価を左右する重要な要素です。

3. 厳格な審査基準:精神性が問われる

審査では、技の正確性やスピードだけでなく、より深い要素が評価されます。

形柔道は、単に技が上手いだけでは勝てず、武道家としての精神性が問われる競技なのです。

【快挙達成】長岡選手が制した「固の部」の技術

長岡選手が世界一に輝いたのは、柔道の寝技に焦点を当てた「固(かため)の形」の21歳未満(U21)の部です。

20歳という若さで、これほど高度な技術と武道の精神性が求められる分野で世界一を勝ち取ったことは、長岡選手の非凡な才能と、日々の厳しい鍛錬の賜物と言えます。

【地元の誇り】愛媛・宇和島からの道のり

長岡健心選手は、愛媛県宇和島市三間地域の出身であり、地元の三間柔道クラブで柔道の基礎を築きました。

地方の柔道クラブから世界選手権の頂点へ到達したことは、宇和島市民、そして愛媛県民全体にとって大きな誇りです。その偉業を称え、宇和島市役所には11日、快挙を祝う懸垂幕が掲げられました。この地域ぐるみの祝福は、長岡選手のこれまでの努力に対する敬意と、若い世代への期待が込められています。

【柔道界の展望】伝統継承の担い手として

柔道が国際的なスポーツとして進化を続ける中で、そのルーツである「形」を正しく継承することの重要性が増しています。

長岡選手のように、若い世代が形の分野で高いモチベーションを持ち、世界トップレベルの技術を示すことは、日本の柔道界が伝統と革新を両立させながら発展していく上で極めて重要です。長岡選手は今後、競技者としての道を究めるだけでなく、将来的に柔道の真髄を伝える指導者としての役割も期待されるでしょう。

宇和島市の若き才能が世界に示した「形」の美しさと強さ。この快挙は、日本の伝統的な武道が現代においてもなお、世界で通用する普遍的な価値を持っていることを証明しています。


長岡健心選手の今後の更なる飛躍と、形柔道の普及・発展に期待が高まります。

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