2025年7月3日、世界中のサッカーファンに衝撃が走りました。
リヴァプールFC所属のポルトガル代表FW、ディオゴ・ジョタ(28歳)が、弟のアンドレ・シウバ(26歳)と共にスペインで発生した自動車事故により死亡したことが明らかになりました。
事故はスペイン北西部のサモラ県セルナディーリャ付近、A-52号線(通称:Autovía das Rías Baixas)を走行中に発生しました。
■ 深夜の高速道路で突然の悲劇
ジョタ選手が運転していたのは高級車ランボルギーニ・ウルスと見られ、事故発生は午前0時30分ごろ。高速道路を走行中、後輪のタイヤが突然バーストし、車両が制御を失いました。
そのまま車体は車線を外れて道路脇の深い側溝に激突。
衝突の衝撃によりエンジン部分から火が上がり、車は瞬く間に炎上。
近くを走行していた車両のドライバーが119番通報したものの、到着時にはすでに車全体が激しく燃えていたといいます。
消防隊は消火活動を行い、事故現場を封鎖。最終的に車内からはジョタ選手と弟アンドレ選手の2人の遺体が発見され、即死だったと報告されました。
■ タイヤの破裂とスピードが鍵か
現地警察は現在も事故原因の詳細を調査中ですが、第一報では「走行中のタイヤバーストが制御不能の原因となった可能性が高い」とされています。
ランボルギーニ・ウルスのような重量のあるハイパワーSUVにおいて、高速走行中のタイヤトラブルは特に危険です。
さらに事故発生場所は、カーブの続く山間地帯であり、側溝も深く、車体が跳ね上がるように衝突・横転したとみられています。
報道によれば、スピードの出し過ぎや飲酒運転などの兆候は確認されておらず、「不運なメカニカルトラブルによる単独事故」の可能性が高いとの見解も出ています。
■ 若き兄弟の突然の別れ
ジョタ選手は言わずと知れたポルトガル代表のストライカーで、2020年からリヴァプールで活躍。
2024-2025シーズンではプレミアリーグ優勝に貢献し、チーム内での得点ランキングでも上位に位置していました。
一方、弟のアンドレ・シウバ選手はポルトガル2部クラブ「FCペナフィエル」に所属。
兄とは異なる道を歩んでいたものの、同じくプロサッカー選手として成長を続けていました。
報道によれば、2人は久しぶりのオフを利用してスペインで家族旅行をしていた最中であり、事故の2週間前にはジョタ選手が長年交際していた女性・ルテ・カルドーゾさんと結婚したばかりでした。
3人の子どもにも恵まれており、まさに「人生の絶頂期」での悲劇でした。
■ サッカー界から広がる追悼の声
この突然の訃報に対し、リヴァプールFCは公式声明を発表。
「私たちは想像を超える悲しみに包まれている」「ジョタはフィールド上の戦士であり、クラブの家族の一員だった」とし、クラブ施設では喪章が掲げられています。
また、元リヴァプールのスティーブン・ジェラード、ジェイミー・キャラガー、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド、さらにはNBAのレブロン・ジェームズまでもがSNSで哀悼の意を表しました。
女子ユーロ選手権では試合開始前に1分間の黙とうが予定されており、UEFAをはじめとする欧州各国リーグも追悼の意を表す意向を示しています。
■ 今後の調査と追悼式
スペイン国家警察は引き続き、事故当時の車両の速度、タイヤの破裂原因、整備履歴などを精査中です。
また、ポルトガル・リスボンにて、ジョタ兄弟の合同追悼式が数日中に執り行われる予定とされています。
ジョタ選手の遺族、クラブ関係者、ポルトガル代表のチームメイトたちも多数参列予定で、国家レベルでの哀悼行事となる見込みです。
■ 編集後記
ディオゴ・ジョタ選手は、華麗なテクニックと冷静なフィニッシュで知られる天才ストライカーでした。
長年チームを支えてきた兄と、静かに成長を続けていた弟。
その2人が同じ日に、同じ事故で命を落とすというのは、あまりにも辛い出来事です。
交通事故が一瞬で人生を変えてしまう。そのリアルを改めて思い知らされた日でもあります。
ご冥福をお祈りするとともに、今後の事故調査と安全対策の強化を願ってやみません。

引用:Goal.com 日本