中国外務省は1日、高市早苗首相が韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にて、台湾代表の林信義元副首相と会談したことについて、日本政府に「猛烈な抗議」を行ったと発表しました。
中国側は談話で、「日本の首相が台湾当局者と面会し、SNS上で大げさに宣伝したことは、『一つの中国』原則などに著しく違反する」と指摘。また、「建設的で安定した中日関係を構築するという表明を、実践に移すよう強く求める」と強調しました。
■ 会談の背景
高市首相は今回のAPEC会議出席の際、台湾側の林信義元副首相と個別に面会しました。これは、日本の首相として台湾側と公式に会談する数少ない機会であり、台湾との経済・安全保障上の連携強化を示す意義がありました。
一方で、中国は「一つの中国」原則を掲げており、台湾の公式な外交活動や外国要人との面会を強く警戒しています。そのため、今回の会談は中国側にとって外交上の敏感な問題となりました。
■ SNSでの宣伝も波紋に
中国外務省は、会談の内容をSNS上で発信したことにも懸念を示しています。日本側がSNSで大々的に情報発信したことが「大げさに宣伝した」と受け取られ、外交的摩擦を強める要因となったようです。
この点について、政府関係者は「会談の公表は国民への説明責任の一環であり、外交上の宣伝目的ではない」と説明しています。
■ 今後の中日関係への影響
今回の抗議は、中日関係に緊張をもたらす可能性があります。
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中国側は「建設的で安定した中日関係」を求めていますが、台湾との接触を巡り敏感な対応を迫られる状況です。
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日本側は、台湾との経済・安全保障上の関係強化と、中国との安定関係維持のバランスを取る必要があります。
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今後も、高市首相の外交活動や台湾との接触について、中国側の反応は注目ポイントとなりそうです。
■ カカニュースまとめ
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高市首相がAPECで台湾代表と会談、中国が抗議
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中国側はSNSでの会談内容の公表も問題視
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台湾との関係強化と中国との外交バランスが焦点
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今後の中日関係には一定の緊張が予想される
今回の会談は、外交上の象徴的な出来事として注目されると同時に、SNS発信が国際政治上の微妙な影響を与える例としても注目されます。


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