【鬼滅の刃】猗窩座はなぜ鬼になった？悲しすぎる理由と過去のエピソードに涙

テレビで地上波放送されている『鬼滅の刃無限列車編』で、再び注目を集めている上弦の参・猗窩座（あかざ）。

圧倒的な強さと狂気を見せる鬼でありながら、その過去にはファンの涙を誘う深い物語があります。

この記事では、猗窩座がなぜ鬼になったのか、人間時代の名前やエピソード、恋雪との切ない愛の物語についてご紹介します。

猗窩座の本名は「狛治」だった

猗窩座の人間だった頃の名前は「狛治（はくじ）」です。幼いころから病弱な父と二人で暮らしており、父の薬代を稼ぐためにスリや盗みを繰り返す生活を送っていました。

その結果、何度も捕まっては罰を受けていた狛治。

しかし、父は「自分のために罪を重ねる息子を見るのがつらい」と遺書を残し、自ら命を絶ってしまいます。

父を救えなかった後悔と絶望を抱えながらも、狛治は生き続けます。

ある日、倒れていた狛治を助けてくれたのが、武術道場を営む慶蔵（けいぞう）という男でした。

慶蔵は娘の恋雪（こゆき）と共に狛治を迎え入れ、家族のように接してくれました。

恋雪は病弱でしたが、狛治のまっすぐな介護によって回復。

やがて二人は心を通わせ、結婚の約束も交わすようになります。

狛治にとって初めて得た、「守りたいもの」がそこにあったのです。

しかし、幸せな時間は長くは続きません。

他の道場の人間たちが、慶蔵と恋雪の存在を妬み、井戸に毒を仕込んで二人を殺してしまいます。

絶望した狛治は復讐に走り、素手で犯人たちを殴り殺しました。

その凄まじい暴力は、もはや人間の域を超えていたと言われています。

すべてを失い、失意の中で荒野に倒れていた狛治の前に現れたのが、鬼の始祖・鬼舞辻無惨（きぶつじむざん）です。

「すべてを失って、生きている意味もない」

その言葉を聞いた無惨は、狛治に鬼になるよう勧めました。

狛治はもはや断る気力もなく、鬼となる道を選びます。

そして猗窩座として生まれ変わり、無限の再生能力と戦闘力を得ることになります。

鬼となった猗窩座は、人間だったころの記憶をほぼ失い、「強さ」を求めて戦い続ける存在へと変貌してしまいました。

『無限列車編』では、猗窩座が柱・煉獄杏寿郎と激突。

そこで彼は、「強い者だけが価値がある」と叫びますが、煉獄は「弱き者を守るのが強さ」と真っ向から対立。

その後、物語の終盤で炭治郎と再び戦う中で、失われていた人間としての記憶――恋雪や慶蔵との日々が、断片的によみがえってきます。

最期の瞬間、狛治としての自我が戻り、自らの罪と向き合いながら静かに消えていくシーンは、多くのファンの心を打ちました。

猗窩座は、冷酷な鬼という印象を持たれがちですが、その根底には「守れなかった後悔」と「愛する人を失った悲しみ」があります。

彼の生き様は、鬼滅の刃がただのバトル漫画ではなく、登場人物一人ひとりの“人間らしさ”が描かれていることを象徴していると言えるでしょう。

『鬼滅の刃無限列車編』の地上波放送で再び猗窩座に注目が集まる今、その悲しい過去を知っておくと、彼の戦い方やセリフがより深く心に刺さるかもしれません。