「香典は現金で渡すもの」
そんな長年の常識が、大きく変わろうとしているかもしれません。
冠婚葬祭向け写真サービスを手掛けるアスカネットは、葬儀会場で香典をキャッシュレス決済できる新サービスを開始したと発表しました。
提携する葬儀場では、参列者が受付に設置された端末を利用し、現金を持参しなくても香典を支払えるようになるといいます。
日常生活ではキャッシュレス決済が当たり前になりつつある一方で、「香典までキャッシュレスになるの?」と驚く声も少なくありません。
今回は、話題となっている香典キャッシュレス化の内容や、気になるマナーの問題について見ていきます。
葬儀場で香典をキャッシュレス決済
アスカネットによると、今回のサービスは葬儀場運営会社のみずぐち(静岡県)と連携して提供されます。
参列者は会場受付に設置された専用端末を利用し、キャッシュレスで香典を支払うことが可能になります。
これまで葬儀に参列する際には、
- 香典袋を購入する
- 現金を用意する
- 表書きを書く
- 受付で手渡す
という流れが一般的でした。
しかし新サービスでは現金を持参する必要がなくなり、受付業務の効率化や管理負担の軽減も期待されています。
実は葬儀では今も「現金派」が圧倒的
アスカネットが2026年3月に行った調査では、日常生活でキャッシュレス決済を利用している人は8割を超えていました。
一方で、葬儀で香典を渡す際には約9割が現金を利用しているという結果だったそうです。
スーパーやコンビニではスマホ決済を使っていても、葬儀だけは現金という人がほとんどでした。
それだけに今回の発表は、多くの人にとって「時代が変わった」と感じるニュースになっています。
「失礼じゃないの?」という声も
今回のニュースで最も多く聞かれるのが、
「香典をキャッシュレスで渡すのは失礼ではないのか」
という疑問です。
香典には単なる金銭のやり取りではなく、故人への弔意や遺族へのお悔やみの気持ちを表す意味があります。
そのため、
- 香典袋の選び方
- お札の向き
- 袱紗(ふくさ)の使い方
など、細かなマナーが受け継がれてきました。
こうした背景から、「スマホで支払うだけでは気持ちが伝わらないのでは」と感じる人もいるようです。
マナーは時代とともに変わってきた
一方で、葬儀のマナーはこれまでも時代に合わせて変化してきました。
近年では、
- 家族葬の増加
- オンライン葬儀
- 電子通知による訃報連絡
など、従来とは異なる形式も広がっています。
以前は非常識と考えられていたことでも、社会に浸透することで一般的なマナーとして受け入れられてきた例は少なくありません。
キャッシュレス香典も、今後利用者が増えれば新たなスタンダードになる可能性があります。
葬儀場側にも大きなメリット
今回のサービスは参列者だけでなく、葬儀場や遺族側にもメリットがあります。
現金を扱う場合、
- 金額確認
- 集計作業
- 保管管理
など多くの手間が発生します。
また、紛失や数え間違いのリスクもあります。
キャッシュレス化が進めば、こうした負担を軽減できるため、葬儀業界からは歓迎する声も出ているようです。
香典袋はなくなるのか?
気になるのは、今後香典袋そのものが不要になるのかという点です。
現時点では一部の葬儀場での導入にとどまっており、全国的な普及はこれからです。
しかしキャッシュレス決済が広がれば、
「香典袋を買い忘れた」
「現金を準備していなかった」
といった悩みは減るかもしれません。
一方で、香典袋には故人への思いを形として表す意味もあります。
そのため今後も現金とキャッシュレスが共存する形になる可能性もありそうです。
まとめ
アスカネットが開始した香典キャッシュレス決済サービスは、これまでの葬儀文化に新しい選択肢をもたらす取り組みとして注目を集めています。
日常生活ではキャッシュレス化が進む一方、葬儀では依然として現金が主流でした。
だからこそ、
「便利になる」
という声と、
「失礼ではないのか」
という声の両方が上がっています。
香典文化そのものが大きく変わるのか、それとも新たな選択肢として定着するのか。
今回の取り組みは、これからの葬儀マナーを考えるきっかけになりそうです。


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