【活イカ漁ついに再開】3週間ぶりに函館へ「イカの街」に笑顔戻る 高値取引も観光客は歓喜「口の中で動きます!」

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北海道・函館で名物のスルメイカ漁が約3週間ぶりに再開し、ついに“活イカ”が市場に戻ってきました。
11月12日朝、小型船によるスルメイカ釣り漁で水揚げが行われ、33キロほどの新鮮なイカが港に上がりました。
量はまだ少ないものの、初日の競りでは1キロあたり3300円と、例年の3倍ほどの高値をつけるなど、漁師や市場関係者の間には久々の明るいムードが広がっています。



■ 約3週間の休漁期間 函館の海から“イカの姿”が消えた理由

函館といえば、全国的にも「イカの街」として知られています。
しかし、今年秋のスルメイカ漁は、水産庁が定める漁獲枠の上限に達したため、10月中旬から小型船による漁が停止されていました。
背景には、近年続くイカ資源の減少と、それに対応する資源管理強化の動きがあります。

スルメイカは日本の沿岸漁業を支える代表的な魚種のひとつですが、海水温の上昇や黒潮の流れの変化など、気候変動の影響を受けて回遊ルートが北上。
これにより、北海道近海での漁獲量が年々減少しています。
函館でも数年前までは豊漁が続いていましたが、近年は漁に出ても「ほとんど網にかからない」日が増えていたといいます。

地元の漁師は、「今年は500キロの予定が10分の1の50キロしか取れなかった」と語り、「再開したのはうれしいけど、イカがいない」と苦笑いしました。
それでも、久しぶりにイカの姿を見た漁師の顔には安堵の表情が浮かび、「ちょうどいい時期に休んでいた。3週間の休漁が回復につながれば」と今後への期待をにじませています。

■ 市場は“久々の活気” 1キロ3300円の高値で取引

再開初日の朝、函館の市場では待ちわびた水揚げのニュースに多くの関係者が集まりました。
この日競りにかけられたのは約33キロと少量でしたが、1キロあたり3300円という高値がつきました。
例年であれば1000円前後が相場とされており、その3倍という価格は“待望感”の表れともいえます。

市場関係者は「品薄であることに加え、再開を心待ちにしていた業者が多く、取引が活発になった」と話しています。
地元の飲食店も「ようやく新鮮なイカを出せる」「観光客に“函館らしさ”を取り戻せる」と喜びの声を上げていました。

函館のイカは刺身や塩辛、天ぷらなど多様な料理に使われ、地元経済への影響も大きい存在です。
加工業や観光業など関連する産業が多く、イカの不漁が長引けば地域全体の収入にも響きます。
その意味でも、今回の水揚げは「再スタートの象徴」として大きな意味を持っています。

■ 人気の「活イカ釣り堀」も営業再開 観光客「動いてるのを食べられて感動」

観光面でも明るいニュースが届きました。
函館の名物観光スポットである「元祖活いか釣堀」も、漁の再開を受けて営業を再開しました。
この施設では観光客が自分で釣ったイカをその場で調理して食べられる体験が人気で、連日行列ができることもあるほどです。

運営者の小野寺透さんは、「ようやくイカが戻ってきてほっとしています。一番大変だったのは漁師さんたち。少しでも枠を増やして漁が続けられるようにしてほしい」と語りました。
この日は約60匹のイカが入荷し、観光客たちも久しぶりの“活イカ”に舌鼓を打ちました。

釣り堀を訪れた観光客からは、「むちゃくちゃおいしい」「口の中で動きます」「もうないと思っていたけど、入ってラッキーでした」などの声が聞かれました。
中には「これを食べるために北海道に来た」という観光客もおり、SNSには「函館の活イカ復活!」という投稿が次々と上がっています。

■ 「イカの街」函館に戻る笑顔と期待 漁師の願いは“持続可能な海”

函館では、イカ漁が再開したことで観光地全体にも活気が戻りつつあります。
観光関係者によると、イカの不漁が続いていた期間中は来客数が減少し、飲食店や土産物店の売り上げにも影響が出ていたといいます。
それだけに「新鮮なイカが帰ってきた」というニュースは、地域全体に明るい兆しをもたらしています。

とはいえ、漁業者の間では楽観視する声ばかりではありません。
ある漁師は「資源が回復するまで安心できない」「海の変化は年々大きくなっている」と話し、気候変動や国際的な漁獲圧の影響を懸念しています。
北海道周辺の海では近年、外国漁船によるスルメイカの漁獲も問題となっており、資源管理の難しさが増しています。

水産庁は今後も漁獲枠の設定やモニタリングを続け、資源の持続的な利用を目指す方針を示しています。
一方で、漁師や地元企業の間では「単なる制限ではなく、現場の実情に合わせた柔軟な仕組みが必要だ」という声も上がっています。

■ 地元が支え合う“イカの街”の底力

函館の街では、漁が止まっていた3週間の間も、飲食店や観光関係者が「イカが戻る日」を信じて準備を続けていました。
地元の居酒屋では、「冷凍イカを使いながらでも“函館の味”を守ろう」と努力を重ねた店も少なくありません。
今回の再開は、そうした努力が報われた瞬間でもあります。

観光協会の担当者は、「イカは単なる特産品ではなく、函館の文化そのものです。今回の再開をきっかけに、地元と観光客が一緒に“海の恵み”の大切さを考える機会にしたい」と話しています。

11月の函館の港には、寒さの中でも笑顔が戻りました。
水揚げされたイカが光を反射し、漁師の手の中で跳ねる光景は、まさに“函館らしい冬の始まり”を告げています。
まだ漁の量は限られていますが、久しぶりに動き出した港の風景は、地域の人々に「これからまた頑張ろう」という活力を与えているようです。


〈まとめ〉
約3週間ぶりに再開された函館のスルメイカ漁で、ついに活イカが水揚げされました。
水揚げ量はまだ少ないものの、例年の3倍となる高値がつき、観光地にも活気が戻っています。
漁師たちの願いは「持続可能な漁業」と「イカの街の復活」。
新鮮なイカを求める観光客の笑顔とともに、函館の港には再び希望の灯がともり始めています。

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