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お盆明けに「やる気が出ない」は危険信号? 現代人を襲う“8月病”の正体とは

8月も中旬を迎え、全国的に猛暑が続く中、多くの企業や学校ではお盆休みが終われば、再び通常の日常が始まります。

ところが、そんな休み明けに「どうにも体がだるい」「やる気が出ない」「仕事に集中できない」といった声が、SNSなどでも多数見られるようになっています。

実はこの現象、通称「8月病」とも呼ばれる心身の不調で、多くの現代人が気付かないうちに影響を受けていると指摘されています。



「8月病」とは何か?

「5月病」という言葉は広く知られていますが、「8月病」はそれに似た症状が夏休み明けに出るもので、主に以下のような状態を指します:

特に、長期休暇で生活リズムが崩れたことに加え、猛暑による疲労の蓄積や、夏の終わりに近づく“虚無感”のような感情が重なることで、心身に大きな負荷がかかるとされています。

医師が語る「8月病」のメカニズム

専門家によると、8月病は自律神経の乱れやホルモンバランスの変化に起因しているといいます。

「長期休暇で緩んだ生活と、急激な社会復帰とのギャップが大きすぎると、心と体がついていけなくなるのです。これが続くと、軽い不調だけでなく、うつ症状に移行することもあるため注意が必要です」と語ります。

また、気温が高い日が続くと睡眠の質も下がり、疲労が取れにくくなります。

これも集中力や意欲の低下に直結しているといえるでしょう。

2025年の猛暑が追い打ちに

2025年の夏は、全国的に異常な暑さが続いており、連日の猛暑日で屋外の活動だけでなく、室内での生活にも疲労感が蓄積しやすい状況にあります。

エアコンの効いた部屋と屋外の気温差も自律神経を乱す原因とされ、身体的ストレスと精神的ストレスが同時に押し寄せてくる構図です。

このような環境の中でお盆明けを迎えることで、「8月病」のリスクは例年以上に高まっているといえるでしょう。

対策①:まずは生活リズムを整える

「8月病」対策の第一歩は、崩れてしまった生活リズムを取り戻すことです。特に睡眠と食事、適度な運動を意識することが重要です。

また、帰宅後に「スマホやテレビをすぐに見る」のではなく、湯船に浸かってリラックスする時間を設けることで、副交感神経が優位になり、ストレス軽減に繋がります。

対策②:“完璧主義”を手放す

休み明けに「100%元通りに戻らなければ」と自分を追い込むのは逆効果です。

心身ともに元に戻るまでには数日〜1週間程度かかるのが普通です。「今日は60%の力でOK」と自分にゆとりを持たせることも大切です。

また、仕事量が多い場合は、タスクを優先順位で整理し、すべてを一気にこなそうとしない工夫も必要です。

対策③:周囲との“ゆるやかなつながり”を持つ

休み明けは人との接触が億劫になることもありますが、軽い挨拶や雑談などの“ゆるやかなつながり”が心の緊張をほぐしてくれます。

無理に深い会話をする必要はありませんが、「おはようございます」「お盆はどうだった?」といった一言のやり取りが、復職や再始動の良いきっかけになることも。

それでも辛い時は…専門機関へ

もし1週間以上経っても「気分が晴れない」「体調が戻らない」と感じる場合は、無理をせず、心療内科や産業医、カウンセラーなどの専門家に相談することが大切です。

精神的な症状は我慢すればするほど重くなる傾向があるため、早めの対応が肝心です。

「8月病」は誰にでも起こりうる

8月病は、真面目で責任感の強い人ほど陥りやすいとも言われています。

環境の変化に敏感な現代人にとって、長期休暇明けの心身のゆらぎは“自然な反応”でもあります。

「怠けているわけではない」「誰にでも起こりうること」と認識するだけでも、気持ちが少し軽くなるかもしれません。

2025年のこの夏、「猛暑+8月病」という二重の負荷の中で、無理なく自分のペースを大切にした生活を送ることが、今求められている“新しい日常”なのかもしれません。

 

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